- 著者
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大宮 直記
- 出版者
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
- 雑誌
- 東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
- 巻号頁・発行日
- vol.94, pp.125-176, 1995
本研究は,今後の風景計画の検討に資するために,社会において共有される風景の捉え方の様式の存在を確認し,その近代から現代における変遷を明らかにして,変化の潮流について考察を行った。「序章」においては,背景,目的,対象,方法について述べた。近年まちづくりにおけるアメニティを考えるに際し,市民個々人の思い出や価値観を反映させた「景観づくり」,「風景づくり」の重要性が益々高まってきた。しかし一方で,そのような人それぞれの主観性に基づく風景論的立場では,普遍的結論へと帰納することが難しいともされてきた。しかしながら,デュルケムを中心とする社会学者らにより,個人を越え,集合的に共有される社会的意識である「集合意識」が提唱されており,風景の捉え方においても,そうした社会に共通する部分が存在することが明らかになれば,新しい風景計画に役立つと考え,研究を進めた。