- 著者
-
冨田 雅之
前田 重孝
木村 高弘
池本 庸
大石 幸彦
- 出版者
- 泌尿器科紀要刊行会
- 雑誌
- 泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.4, pp.247-249, 2002-04
69歳男.血塗れで倒れているところを発見され, 陰茎が切断され, 左上肢も受傷していた.創部の応急処置を行い, 患者の不穏が強いため, ハロペリドールを投与し, 陰茎は低温保存した.左上肢は橈側浅指屈筋腱が断裂し, 下腹部が著明に膨満, 超音波で膀胱内に著明な尿貯留を認めた.尿閉に対し緊急に膀胱瘻を増設後, 創部を処置した.自傷の可能性もあり, 陰茎再吻合は困難と判断し, 家族とも相談の上, 断端形成術を施行した.創部の経過は良好で尿道の留置カテーテルは術後16日目に抜去した.自己陰茎切断症は極めて稀な疾患で, 自験例を含め24例のみである