著者
畠山 正行 加藤木 和夫 石井 義之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.2567-2581, 2000-09-15

多様な科学/工学分野のドメインユーザの低いプログラム開発力を向上させるため,ユーザの母国語である自然日本語をベースとしてオブジェクト指向の構造化記述ができるオブジェクト指向記述日本語OODJを分析段階の記述言語として考案・開発した.OODJは自然日本語に対し強い構造記述性を持つオブジェクト指向の枠組みを記述モデルと構文規則の形で導入・設計された.オブジェクト指向記述環境もあわせて設計・実装してOODJに含めた.評価用に記述例を作成するとともに,数人のドメインユーザによる記述実験を行った.その結果,自然言語の持つ強い記述力の上にオブジェクト指向の構造化記述法を確立したことで記述力の高さに対する顕著な向上が認められ,設計の狙いは実現した.そのほか,プログラミング言語フリー,自然言語の範疇であることからくる記述の容易性・高い了解性,日本語一貫記述言語系の一環であることのメリットが認められ,かつ重大な欠点は見出せなかった.他の言語(主としてUML)との比較・評価も行われ改良案も提案された.以上からOODJがドメインユーザにとって十分有用な分析記述言語であることが結論された.

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