- 著者
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小畑 郁男
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
- 巻号頁・発行日
- vol.2004, no.127(2004-MUS-058), pp.1-6, 2004-12-12
楽曲の統一感は素材の同質性に、変化感は素材間の対照性に起因すると考えられる。旋律素材の同質性という視点から主要テーマの関係を分析していくことによって、ベートーヴェンの“ピアノソナタ第28番”の作品としての統一性について考察し、以下の3つの結論を得た。(1)第1楽章第1主題の冒頭にあり、楽曲全体を通して現れ、作品の統一に寄与する音程をレティ(R師i Rudolph)が提唱した概念「原細胞」によって説明することができる。(2)先行する主題の中に、後続する主題の要素、あるいはその源となる旋律素材が含まれている。(3)楽曲全体を3部分形式的な統一体として考えることができる。