著者
藤田 幸久 鷲田 祐一 鳥海 不二夫 植田 一博 石井 健一郎
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.49-61, 2010-01-26

昨今,情報通信技術の発達により,一般生活者が日常的に入手しうる情報の量と種類が飛躍的に増加している.意思決定や価値判断において,情報の有無は重要であり,情報量の増加は個人の行動に影響をもたらしている.多くの既存研究では,保持している情報の量と種類が多ければ,影響力や意思決定力が強くなるものとしている.しかし,その真偽を再考する研究も現れており,情報量の飛躍的増加という未曾有の現象の本質を理解することが望まれる.本論文では,情報の多様化を考慮した情報伝播モデルを提案し,情報の多様化が情報伝播に及ぼす影響をシミュレーションにより分析する.特に,既存研究において強い影響力を持つとされるイノベータに着目した.シミュレーションの結果,情報の多様化によりイノベータの影響力が低下し,イノベータ以外の層がコミュニティ全体に対して影響力を持つことが確認された.また,イノベータの影響力低下は,情報の価値が均一になる「フラット化」によってもたらされることを明らかにした.

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こ、これは面白い研究(><)情報が多様化した社会では、影響力を持つのはインフルエンサーではなく、アーリーアダプターのような中間層であるとな→https://t.co/tXS9mz57Uz

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