- 著者
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須崎有康
- 雑誌
- 情報処理
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.12, pp.1602-1609, 2010-12-15
Amazon EC2を代表とするIaaS(Infrastructure as a Service)型クラウドコンピューティングでは,不特定多数のユーザから複数OSをホスティングするマルチテナントのために仮想マシンは必須の技術になっている.仮想マシンのセキュリティについてはアメリカ国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)から出された導入ガイドライン(SP 800-125 DRAFT Guide to Security for Full Virtualization Technologies)などで導入の注意点は指摘されていているが,具体的な技術的詳細については解説されていない.本解説では技術的な問題点を掘り下げてIaaS型クラウドコンピューティングでの仮想マシンセキュリティの課題と対処方法を仮想マシン内(VM Internal)と仮想マシン間(Cross VM)に分け,クラウドの利用にする際に契約するSLA(Service Level Agreement)の参考になることを念頭に解説する.