- 著者
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清野 陽一
- 雑誌
- じんもんこん2011論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2011, no.8, pp.37-42, 2011-12-03
本研究では『延喜式』内の主計式に見える地方の国府と平安京との移動日数に関して,これまで文献史学で行われてきた研究成果を参考にしつつ,GIS を用いてあらためて今日的視点からシミュレーションを行うことによって,その具体的数字の意味するところを再度検証し,数値のもつ意味を考えた.その結果,文献史学では史料内からしか考察できない材料に対して,外部の客観的なデータをもってその検証作業を行うことができた.加えて,移動コスト分析において留意すべき点,更には現状の検討材料における問題点を整理し,今後どのようなデータが整備され,分析が行われれば研究が進展するかについての提言を行った.