著者
守岡 知彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.332-340, 2018-02-15

項書き換え系を用いた漢字の包摂規準の形式化手法を提案する.漢字の包摂規準は本質的に木構造のパターンに対する書き換えとして記述されているため,項書き換え系における書き換え規則として表現することは容易である.また,完備化アルゴリズムを用いることで計算機にとってより扱いやすい形に変換することができる.しかしながら,包摂除外をはじめとする包摂規準の例外や定義の不完全さ,符号化された漢字レパートリの不斉一さといった問題を扱うためには文字単位の包摂関係と包摂規準に基づく部品間の包摂関係の双方でダブルチェック可能な手法が望ましい.そこで,完備な包摂記述という概念をあわせて提案する.

言及状況

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(ちなみに、IWDS-1 を等式の集合とみなすと項書き換え系を用いて形式化できる。このネタに関しては https://t.co/nwRjtxuYyh で書いたが、私が TRS 専門じゃないのと査読意見の影響もあって肝心の形式化の部分に関しては白須裕之氏の「漢字構造の代数的記述についての予備的考察」も併読すべし)
(昨日は(準備不足もあって)『漢字部品とは何か』という概念的な話に絞って話をしたのだが、一部でそれなりにウケたみたいなのでまあ良かったということにすべきか。個人的にはこれと包摂規準の TRS による形式化と『完備な包摂記述』概念の導入 https://t.co/nwRjtxMzpP で概念整理ができた感じ)
特集「人文科学とコンピュータ」: 守岡知彦「項書き換え系を用いた漢字字体の包摂規準の形式化の試み」 https://t.co/uAZZ3mhu5o
(情報処理学会論文誌の人文科学とコンピュータ特集号が出たらしい。私の単著の「項書き換え系を用いた漢字字体の包摂規準の形式化の試み」 https://t.co/nwRjtxuYyh (ページ数(料金)が増えて悲しみ)と共著者の「古典中国語(漢文)の形態素解析とその応用」 https://t.co/uKdxdSyTi1 も載った)

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