著者
林 健吾 青山 幹雄 古畑 慶次
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1175-1191, 2018-04-15

本稿では,不確定要素の多いイノベーティブな新ソフトウェア製品開発において,プロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返すことにより進化させるコンカレントフィードバック開発方法を提案する.著者らが従事している自動車ソフトウェア開発では,自動走行などに関わるまったく新たなシステムを,研究開発部門と共同で要素技術を開発しながら,かつ,短期間で高品質なシステム化を行うことが求められている.このため,実車両上にプロトタイプを構築する要求開発と,仕様を基にしたソフトウェア製品開発の2フェーズの開発方法を採用していた.しかし,この開発モデルでは,開発期間短縮と品質保証に問題があった.これに対して,要求開発におけるプロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返して進化させる進化型プロトタイプの新たなモデルとして,コンカレントフィードバック開発方法を提案する.さらに,製品開発におけるコンカレントエンジニアリングの協調のアプローチを発展させ,協働してソフトウェア製品を進化させる3パターンのフィードバックループで構成するコンカレントフィードバックプロセスモデルを提案する.提案方法を,超音波センサを用いた自動車ソフトウェア開発に適用し,開発期間を短縮して外部品質を改善した結果から提案方法の有効性を示す.

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https://t.co/ePqmdJxajy コンカレントフィードバック開発方法の自動車ソフトウェア開発への適用 情報処理学会論文誌, Vol.59, No.4, pp.1175-1191 (2018-04-15) https://t.co/L1TBqUn5zM 多粒度コードクローンの検出と評価 情報処理学会論文誌, Vol.59, No.4, pp.1192-1202 (2018-04-15)

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