著者
青山幹雄著
出版者
鉱脈社
巻号頁・発行日
1994
著者
青山 幹雄 村瀬 珠美 鈴木 香予 中道 上
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.3018-3029, 2009-12-15

形式概念分析に基づき,複数ステークホルダが提起するゴールを階層的に構造化するためのゴールラティスモデルと,それを用いたゴール整合方法を提案する.ステークホルダのゴール,サブゴールに対し属性に基づき半順序構造をゴールラティスとして生成し,ゴールを階層的に構造化する.提案方法に基づき,あるステークホルダ群の共通ゴールやあるゴール群を満たすサブゴール群の抽出などを視覚的に分析する方法を提案する.抽出したゴール群の妥当性評価尺度としてゴール拡散率とゴール縮約率を定義した.提案方法を大型スーパーマーケットのセルフレジシステムへ適用し,提案方法の妥当性と効果を示す.This article proposes a method of structuring and reconciling goals among multiple stakeholders based on the FCA (Formal Concept Analysis), and demonstrates the effectiveness of the proposed method by applying the method to the requirements acquisition of self-checkout systems in supermarkets. We propose the goal lattice model which is a semantic extension of FCA, a formalism based on the lattice theory, to model goals. With the goal lattice, the method enables to identify the relations among goals, sub-goals and stakeholders, and structure the goals independently required by multiple stakeholders, and reduce the complexity of the goals and their dependencies by reconciliation.
著者
木下康介 山下和希 中道上 青山幹雄
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.383-384, 2012-03-06

要求獲得においてステークホルダ分析やゴール分析が利用されているが,ステークホルダの多様化により,ステークホルダ間の関係や情報システムに対するゴールが複雑化している.本稿では,ステークホルダを絞り込み,ゴール分析で扱う情報量を限定できるゴール分析方法を提案する.ステークホルダ間の関係性のモデル化にはi*を用い,役割,活動,リスクを段階的に分析し依存関係をモデル化する.i*モデルに基づき,依存強度を相互作用マトリクスで評価し,ステークホルダを絞り込む方法を提案する.絞り込んだステークホルダからゴールを抽出することで,ゴール分析で扱う情報の特定を容易にする.提案方法を例題に適用し,その有用性を評価する.
著者
青山 幹雄 木下 康介 山下 和希
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.3_102-3_108, 2013

ステークホルダ間の動的な利害の相互作用の分析方法を提案する.従来のステークホルダ分析はステークホルダの組織における役割などの単一で静的な属性に基づいている.しかし,ステークホルダの利害は複合的で相互に影響する.本稿は,ステークホルダの役割とその活動を起点として利害を定義し,ステークホルダ間の動的な利害相互作用をi*を拡張してモデル化する方法を示す.さらに,ステークホルダ間の利害相互作用をその活動の貢献/リスク評価マトリクスにより評価し,ステークホルダを絞り込む方法を示す.提案方法を大学の節電問題に適用し,有用性を評価した.
著者
黒野望 勝崇 中道上 青山幹雄
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.373-374, 2011-03-02

クラウドサービスの利用が普及している.クラウドサービスにおけるユーザ毎の違いは構成メタデータで表現している.しかし構成メタデータの構造は一般的に示されていない.本稿では構成メタデータのバリエーションモデルの提案を行い、構成メタデータの可変部分の構造を示す.構成メタデータを操作するAPIに着目し,ユーザの操作による構成メタデータの変動の構造を示す.プロダクトラインに基づく可変性の概念を導入し構成メタデータの可変性を定義し、OVMによるモデル化を行う.モデルにより共通部と可変部を表現することで、構成メタデータの変動の範囲を示す.提案したモデルをSalesforceへ適用し、妥当性を評価する.
著者
青山 幹雄
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

クラウドコンピューティングを統合する開発技術に関する次の成果を得た.1)Linked Dataを用いたクラウドデータ連携アーキテクチャの提案とプロトタイプによる実証評価.2)構成定義言語TOSCAを用いたクラウド連携の設計方法論の提案とプロトタイプによる実証評価.これらの成果はクラウドコンピューティングに関する国際会議等で論文として発表している.さらに,Linked Dataを用いて複数組織間でデータを連携するためのインタフェース仕様を開発し,実証実験で有効性を示した.これは,国際標準化団体OASIS内にTCを設置し,本研究代表者が議長として国際標準化を進めている.
著者
山本 里枝子 大橋 恭子 福寄 雅洋 木村 功作 関口 敦二 上原 忠弘 青山 幹雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1896-1914, 2019-10-15

クラウドの普及にともない,RESTに準拠したWeb APIが企業の情報システムに広がり,Web APIの利用や提供のためのソフトウェア開発が急速に増加している.そのため,Web APIの品質がそれを利用したアプリケーション開発の生産性と品質に大きな影響を及ぼすことが明らかになってきた.従来のシステム内APIと異なり,Web APIはリモートで実行され,ユーザと独立に変更される.これらの特徴はWeb APIのソフトウェア工学の新たな問題を提起しており,特に数が増えているエンタープライズWeb APIを利用するユーザのリスクとなっている.本稿では,システムAPIと異なるWeb APIの品質面の特徴をとらえる試みとして2つの品質特性を定義した.Web APIを利用するアプリケーション開発者のパースペクティブから,ユーザビリティの品質副特性である習得容易性と互換性の品質副特性である相互運用性が我々の課題に対応すると特定し,品質モデルを定義した.この品質モデルに基づいて,尺度と定量的評価方法も提案する.本稿では提案する品質モデルを,Uber,WordPress,OpenStack,メディア処理を含む実際のWeb APIに適用した.提案したモデルを検証するため,Web APIの習得容易性と相互運用性について実証的実験を行った.提案した品質の統計値と実験結果を比較し,提案した品質モデルと尺度の有効性を検証した.
著者
西川雅彦 青山幹雄
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.235-236, 2014-03-11

ソフトウェアの再利用においては生産性と品質の向上が期待されている.開発が進行すると再利用元で発見できなかったバグが再利用先に継承される.そこで,再利用に着目したインスペクション方法を提案する.再利用によってバグが伝播する確率をデータマイニング手法によって推定する.モジュール間の構造複雑度の類似度計算アルゴリズムを評価精度のレーティングに基づき決定する.実システムのバグデータにこのアルゴリズムを適用して開発工程ごとのバグ原因の類似性を明らかにする.バグ原因に対応する確認項目に基づいてインスペクションを行う方法を提案する.実システムのバグデータからこの方法によって摘出できるバグを評価することによって提案方法の有効性を示す.
著者
土本 大貴 青山 幹雄
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.155-156, 2017-03-16

Dockerのコンテナ型仮想化ではホストOSを経由してコンテナにアクセスするため,コンテナが増えると管理の複雑さが増大する.これに対処するため,コンテナ管理ツールとしてKubernetesが提案されている.しかし,Kubernetesでコンテナ配置を定義するためには,そのモデルを理解する必要がある. 本稿では,Chefを応用し,Kubernetesの設定ファイル作成を効率化する方法を提案する.ChefとKubernetesの管理モデルを対応づけで,Chefで作成した設定ファイルをKubernetesで利用可能にする. 提案方法を元に作成した構成ファイルをKubernetesに適用し,その有効性を確認する.
著者
青山 幹雄 山下 利夫 小堀 慎介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.74, pp.33-40, 1997-07-31
参考文献数
16
被引用文献数
4

ソフトウェアパッケージやコンポーネント(部品)をネットワーク上で電子取引するソフトウェアコマースのために仕様とカタログ情報を記述するSCL(Software specification and Commerce Language)を提案する.ソフトウェアは電子的に流通が可能であるので,仕様と取引の情報が一体として表現できることが望ましいと考え,SCLはHTMLの拡張として定義した.1つの部品のカタログがWebの1ホームページとして段階的に表現できる.さらに,部品選択を支援するために,コンテキスト表現として部品を取り巻く構造をデザインパターンで記述し,動的挙動をユースケースのシナリオで記述できる表現をとった.さらに,部品をWeb上で試行できるプレイアブルの概念を提案する.This article proposes SCL(Software specification and Commerce Language) which is intended to present the specification and commerce information of software components and packages. Since software can be distributed through the Internet, it is desirable to represent the specification and commerce information in a single language. Thus, SCL is designed as an extension of HTML so that SCL works for a Web-based on-line catalogue of software components. To provide a better understanding on software components, SCL can specify the context and dynamic behavior of software components with design pattern and Use-Case scenario. Furthermore, we proposes playable concept so that users can play with software components on the Web.
著者
青山 幹雄
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1319-1324, 2002-12-15

オープンソースソフトウェアとは「ソースが公開された」ソフトウェアである.しかし,その意義は,ソフトウェア開発からシステムインテグレーション(SI)に至る広い範囲に及んでいる.オープンソースソフトウェアがこれらの現場で広く利用されるようになっていることから,その本質と効果やリスクを理解しておく必要がある.本稿では,オープンソースソフトウェアの現状を,その開発と利用の観点から概説する.
著者
林 健吾 青山 幹雄 古畑 慶次
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1175-1191, 2018-04-15

本稿では,不確定要素の多いイノベーティブな新ソフトウェア製品開発において,プロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返すことにより進化させるコンカレントフィードバック開発方法を提案する.著者らが従事している自動車ソフトウェア開発では,自動走行などに関わるまったく新たなシステムを,研究開発部門と共同で要素技術を開発しながら,かつ,短期間で高品質なシステム化を行うことが求められている.このため,実車両上にプロトタイプを構築する要求開発と,仕様を基にしたソフトウェア製品開発の2フェーズの開発方法を採用していた.しかし,この開発モデルでは,開発期間短縮と品質保証に問題があった.これに対して,要求開発におけるプロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返して進化させる進化型プロトタイプの新たなモデルとして,コンカレントフィードバック開発方法を提案する.さらに,製品開発におけるコンカレントエンジニアリングの協調のアプローチを発展させ,協働してソフトウェア製品を進化させる3パターンのフィードバックループで構成するコンカレントフィードバックプロセスモデルを提案する.提案方法を,超音波センサを用いた自動車ソフトウェア開発に適用し,開発期間を短縮して外部品質を改善した結果から提案方法の有効性を示す.
著者
藤本 玲子 青山 幹雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1161-1174, 2018-04-15

データ駆動要求工学D2RE(Data-Driven Requirements Engineering)を実現するためにセマンティックグラフモデルに基づく情報モデルを提案し,それを用いて仮説設定,データ収集,分析,評価を繰り返す要求獲得プロセスモデルA*プロセスを提案する.D2REの具体化として,データ駆動ステークホルダ分析のためのA*プロセスの詳細を定義し,あわせて,その支援環境D2RA(D2RE Analyzer)のプロトタイプを開発した.提案方法とD2RAプロトタイプを実際の公共サービス開発会議における発話データへ適用し,ステークホルダの特定と構造化を行い,ステークホルダマトリクスの自動生成を行った.さらに,対象の公共サービス開発会議の参加者へアンケート調査を行い,D2REの分析結果と比較し,提案方法の妥当性,有効性を示した.
著者
青山 幹雄 村瀬 香 中野 有美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.30, pp.163-170, 2004-03-19
被引用文献数
1

花子さんは女性の代名詞である.本論文は,ユーザの代表である花子さんを発見し,花子さんの視点から要求分析を行う方法を提案する.特に,組込みソフトウェアなどの多様な大衆ユーザの要求獲得を主題とする.このため,要求の価値を基準とする主要ユーザの発見方法,主用ユーザと要求との相互作用に基づく要求発見法論を提案する.さらに,本方法を携帯電話の要求分析に適用し,システム全体の要求の価値構造や複数の主要ユーザ間の要求の構造的多様性を明らかにし,既存の要求の問題点や新たな要求の体系的な獲得の知見を得た.This paper proposes a user-centered requirements analysis methodology, named Hanako method. Hanako is a typical first name of Japanese women. So, the name indicates to find a Hanako is the key to successful requirements acquisition, especially for ubiquitous and embedded software system, which a wide variety of users use in different context. The proposed methodology provides a set of techniques including finding a primarily users from a set of user categories and analyzing a requirements in the interaction with the primarily user. Applying the methodology to the mobile phone requirements reveals the effectiveness.
著者
青山 幹雄 高機 宏祐 小室 隆志 川尻 信哉
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.163-164, 1992-02-24
被引用文献数
1

通信サービスの多様化,高度化,インテリジェント化に対応するため地域分散した開発拠点において通信サービスの分散並行開発を支援するCASE環境,ICAROS:イカロス(Integrated Computer-Aided enviRonment for cOcperative Software development)を開発している.本稿では,広域分散開発環境上で設計情報管理の共有化を支援する分散設計情報管理システムについて報告する.