著者
実吉 典子 サネヨシ ノリコ Noriko Saneyoshi
雑誌
清泉女子大学紀要
巻号頁・発行日
vol.45, pp.A15-A27, 1997-12-25

本稿は、サラ・オーン・ジュウェットの作品における女性の友情パターンと性質を研究する一連の試みの第二稿である。第一稿では作者の初期の作品であるDeephavenを扱ったが、本稿では後期の作品で最高の傑作とされているThe Country of the Pointed Firsを扱うこととする。女性の友情に関する枠組み設定はすでに第一稿でなされており、それに照らしてどのような相違があるかを明らかにする。この二つの作品は、約二十年の時を隔てて出版されたが、作品の構成、場面設定、登場人物、および主題など多くの共通点を有するものである。にもかかわらず、女性の友情という視点から見ると、二作品には大きな乖離がある。すなわち、若い女性の感傷的な友情と成熟した大人の女性の社会性を帯びた友情である。この乖離は作者自身の二十年間の実体験に帰することができると考えられる。したがって、次稿はジュウェット自身の女性たちとの友情について検証する。

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フェミニズムや女性の観点というのがないな、と思ったらこの論文は70年代のものだった。ジュエットあるいはジュウェットとかで検索すると、女性同士の友情の観点から論じた論文はすでにいくつかあるようで、やはり。 https://t.co/lDrffJXky3

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