- 著者
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藤澤 秀幸
フジサワ ヒデユキ
Hideyuki FUJISAWA
- 雑誌
- 清泉女子大学人文科学研究所紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.36, pp.67-79, 2015-03-31
幸田露伴における死と救済は仏教的である。彼の場合、現世で死んだ人を救済する方法は転生である。この発想は伝統的で、新しくない。人間の世界から人間の世界への転生は水平方向への転生である。 他方、泉鏡花における死と救済には二つのパターンがある。一つは、死にそうな状況からの救済である。これは露伴には見られない特徴である。これは、年上の美しい女性によって救済されたいという鏡花の夢から生まれた鏡花文学の基本構造である。二つ目は、人間の世界での死が異界への転生によって救済されるというパターンである。この発想は新しい。これは垂直方向への転生である。 露伴と鏡花は対照的であるが、鏡花は露伴を超えていた。