著者
楢﨑 洋一郎
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.129-143, 2010-06-30

日本の指導要録・調査書の開示請求をめぐる議論に、アメリカ合衆国の「家族の教育上の権利およびプライヴァシーに関する法律」いわゆる「FERPA」が影響を与えた。本稿では、まず、FERPAについて解説を付し、次に、「教育記録」の定義と第三者開示が争点となったファルヴォ事件連邦最高裁判所判決(Owasso Independent School District No.I-11 v. Falvo(2002))の全訳を示した。最高裁判所判決の最大の意義は、学校で教員が用いる教育学的な根拠のある教育方法が、プライヴァシーの権利の概念から過度の制約を受けないように配慮したことである。近代以降の学校教育は集団で行われてきており、その教育学的な意義・効果にも十分留意せねばならない。

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