著者
石川 清子 イシカワ キヨコ Kiyoko ISHIKAWA
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-10, 2010-03-31

ウジェーヌ・ドラクロワ『アルジェの女たち』(1834)は、オリエントのハーレムの女性を画材にしたオダリスク絵画の代表的名画であり、以降のオリエンタリズム絵画、裸婦像に多大な影響を及ぼした。しかし、1830年のフランスのアルジェ占領があってこそ、画家はハーレム内部に入ることができ、ゆえにこの絵を描くことができた。フランスのアルジェリアに対する植民地支配の産物とも言える。また名画として鑑賞されてきたこの絵を、アルジェリア自身のフランス語表現女性作家はどのような視点で見て、どのように自己の作品に反映させ、自らのアイデンティティを構築していくか。アシア・ジェバール、レイラ・セバール、二人の作家の作品を具体的に検証していく。この論考はその前半部で、ジェバール『アルジェの女たち』(1980)の後記と表題作中編を扱う。

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