- 著者
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永井 敦子
ナガイ アツコ
Atsuko NAGAI
- 雑誌
- 静岡文化芸術大学研究紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.23, pp.1-10, 2023-03-31
本論文では16世紀の王令における文書作成に関する規定を検証する。1490年代から16世紀にかけて、王権は長大な王令を繰り返し発布し、王国の司法制度・課税制度をそこに書き表しただけでなく、高等法院その他の裁判所に、王令の文字どおりの遵守、および王令に基づいた判決を命じた。またそれらの王令においては、それぞれの裁判所の判決、公証人の証書類、貴族の名簿、そして教区簿冊といった、文書記録の作成と参照についての規定が増えていく。これを本論では行政の文書化として捉える。16世紀後半のフランスは宗教戦争期にあたるが、文書化の視点を加えることによって、当時の治安行政(ポリス)を含めた行政体制を見直すきっかけとしたい。