著者
植田 康孝 磯部 珠緒
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.30, 2020-03-15

人工知能を基盤としたデータサイエンス領域の発達は,自然科学分野に留まらず,経営学,社会学,歴史学,文学など文系分野においても,研究手法の変革を起こしている。これら領域においても,動画,写真,絵,文字など様々なメディア要素をデータ化し,ビッグデータや人工知能などの最新技術を応用する動きが広まっている。データサイエンスは,統計学や数学,情報学の考え方を採用して,データのパターンを読み解き,物の見方や判断力を体得する学問である。統計的な解析手法で緻密な分析が出来るようになり,定説を覆したり,思わぬ発見が生まれたりと,若手研究者と学生による研究の質と成果が経験豊富な専門家による既存研究を上回る。例えば,社会学や文学では,様々なデータを回帰分析や時系列分析,主成分分析といった様々な統計手法で関連性を解析する試みが生まれ,過去の蓄積された研究を質において凌駕する。 企業のマーケティングや金融機関の投資などの社会活動は,データに基づいて意思決定がなされる。金融分野,特に投資部門には多数の自然言語処理の専門家が配置され,研究においても実証分析される。彼らは企業経営者の発言など話し言葉をデータに還元して分析する。決算発表の席でCEO の発言がどのような単語を選んでいるかは,有益なデータになり,そこから読み取れる感情が企業における超過収益の源泉となる。同じく文系出身者が多いマスメディア領域,広告領域,エンターテインメント領域は,従来,目に見えないもの,例えば義理や人情,体力や運といったものに左右されて来た。しかし,人工知能の発達によりSNS 上のトピックや投稿からユーザーの属性情報を把握して蓄積し,ターゲットを絞り込み,ニュースや広告を表示できるようになった。音楽においては,自然言語解析を援用したJ-POP やアニソン等の歌詞を対象とした定量的研究が登場した。本論文では,16 作品の「プリキュア」シリーズの楽曲に対し,歌詞をデジタルデータ化した上で形態素解析を施し,語の頻度,特徴語といった観点から歌詞の特徴について考察を行う。アニメの主題歌は本稿の内容を反映して作るという前提の下,主題歌を分析することが本編の内容を分析する際に参考になると捉えた。

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人工知能を用いた「プリキュア」分析 https://t.co/hrhSBQrX83 主題歌をテキストマイニングしたら「一番ポジティブな主題歌は,「スマイルプリキュア!」であるという結果を得た。」そうだが、著者がこの表を作る方が手間かかってるんではないかと… https://t.co/p3oGpie34b
江戸川大学学術リポジトリ-トップページ プリキュアの面白かった論文 https://t.co/UOdE69NRw9
人工知能を用いた「プリキュア」分析 論文のタイトルで、オタクを釣りにきてる。 中身は平凡なテキストマイニング技術の応用だけど。 https://t.co/iNNfmofun4

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