- 著者
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福田 健一
フクダ ケンイチ
Kenichi Fukuda
- 雑誌
- 浦和論叢
- 巻号頁・発行日
- no.45, pp.1-15, 2011-08
本稿では、雇用における女性保護を男女雇用機会均等法の旧法と新法との比較を中心に論じていくことにする。雇用における女性保護は1972年(昭和47年)に「勤労婦人福祉法」が制定、施行されて保護が拡大していった。国連で成立した女子差別撤廃条約を批准するために1985年(昭和60年)に男女雇用機会均等法が制定、施行された。法律の制定にあたって、旧来とは異なった考え方を取り入れていった。また、それらの考え方も労働基準法にも反映されて妊婦の育児時間、出産前後の育児休暇の規定なども取り入れられた。しかし、この均等法が施行されたが女子差別撤廃条約を批准したことと、1985年(昭和60年)が国連で規定した「女性の10年の最後」の年にあたるためによく議論、検討を重ねて制定、施行したとは言いがたい。なぜなら、多くの「努力目標」があり司法、行政などにより企業が違反してもそれに強制力を持って解決できないようになっている。これでは男女雇用機会均等法の現実的な運用に限界があると言わざるをえない。だから、その後の1999年(平成11年)、2007年(平成19年)の改正で企業の禁止項目を増やし、男女平等を基本としながらも女性保護を進めてきた。少しずつ改善されてきているが現状としては、社会の指導層の中の女性の比率は依然として低いままである。どうして、いまだにそういう状況が継続しているのか。アメリカやカナダの事例も含めて真の男女の雇用における平等を論じて行くことにする。