著者
朴澤 直秀
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.487-499, 2004-02-27

寺元とは、特定寺院に子弟を入寺させる権利、ひいては特定寺院の住職の任免権及び寺院の支配権、そしてその権利をもった家(ないしはその当主)のことを指す。本稿では、山城国和束郷石寺村の霊照寺、大和国広瀬郡山坊村の金勝寺など、在地寺院の寺元の事例を数例検討した。在地寺院の寺元には、特別な身分的条件はなかったと考えられる。また、寺元慣行を有する在地寺院には、寺元家の菩提寺のみならず、宮寺や、広く宗判檀家を持つ寺院も含まれた。そして寺元慣行と特定宗派との関係は見出せない。近世の寺元慣行は、大和を中心に畿内においてみられるものである。その背景には、一つには、興福寺を中心とした中世以来の寺元慣行の(在地寺院への)影響があるのではないか。また、寺院の本末組織への編成の徹底度や、本寺・触頭等による寺院支配の貫徹度の相違が、他地域との、寺元慣行の有無と相関しているのではないかと考えられる。

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