著者
布村 育子 Ikuko NUNOMURA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.77-89, 2015-12-01

2015年6月、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が公布された。この動きに連動する格好で、高等学校教育における生徒の政治的教養のあり方に関して、「政治の解禁」と「政治の抑制」との二つの相反する動きが存在している。近い将来、現場の具体的な個別の教育実践に関して、事件化や問題化される事例が生じてしまう可能性を否定できない。こした事件化や問題化をどう考えたらよいのだろうか。本稿では、まず教育公務員の政治的行為と政治教育に関する法制度の仕組みを確認する(第2節)。そのうえで、今後予想される事態の先行事例といえる1954(昭和29)年の教育二法の成立時の経緯を掘り下げて、ある性格をもった物語化の機制がそこで働いていたことを示す(第3節)。そこでの知見をふまえて、第4節では現在の政治教育解禁/抑制の動きを考察し(第4節)、近い将来に起こるかもしれない「事件化/問題化」をどう考えるべきかについて論じる(まとめ)。

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