著者
光平 有希
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ
巻号頁・発行日
vol.56, pp.95-119, 2017-10-20

精神科医の呉秀三(1865―1932)は、近代精神医療の普及に取り組む中、明治期において既に、自身が医長を勤める東京府巣鴨病院で音楽療法の試行を開始した。呉の音楽療法実践に関しては、巣鴨病院の後身にあたる東京都立松沢病院併設の「日本精神医学資料館」を中心に、当時の状況を窺い知ることのできる資料が現存しているものの、これまでその実態が明らかにされることはなかった。しかしながら、日本の音楽療法史上において、従来の理論紹介に終始することなく、実際に体系的、及び長期的に行った呉の音楽療法は重要な位置を占める。

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