著者
薬本 武則 Takenori Yakumoto
巻号頁・発行日
vol.26, pp.109-132, 2010-03-31

長谷川等伯は、安土桃山時代を中心に狩野永徳率いる画家集団と対抗しながら活躍した日本を代表する画家で、彼の代表作である「松林図」はあまりにも有名であるために多くの美術史家によって研究・解説されていますが、彼を支えた美的感性や意識、及び技術を総合的に解説した本は少ないのではないかと思われます。 そこで、ここでは、それらを総合的に説明することによって長谷川等伯の目指した究極的表現が何だったのかを芸術の基本的意識である人間の内発力・意識力・技術力に基づく研究をすることで明確にしようと思っています。 彼は、日蓮宗の家に生まれ、生涯を日蓮宗の信者として生活していますから、必然的に日蓮の根本的思想である法華経の影響を受け、そのために権力に媚びることのない人間尊厳に立脚した感性に基づく作品を中国の謝赫を中心とした美意識に支えられた表現技術によって描いたために、今日においても多くの鑑賞者の感動を呼び覚ます普遍的影響力を持っていると考えられます。 この文章を読むことで、美術教育に携わる教師の明日が開かれれば幸甚に思います。

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描かないことによって仏教の本質を描く。 曼荼羅に近い作品。 こういう解釈なんかも参考にしたいな。 https://t.co/HHbmNSI16l https://t.co/KbmiNe3tx6

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