- 著者
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片山 剛
Takeshi Katayama
千里金蘭大学 教養教育センター
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.1-12,
平安時代中期に強大な権力を掌握した藤原道長(966~1027)は、一方では篤い宗教心を持っていたことが諸史料から知られる。その宗教心はどのようにして育まれ、またそれはどのような形に具象化されたのであろうか。彼が政権を不動のものにした三十代後半から当時初老とされた四十代初めにかけて、元号でいうなら寛弘(1004~1012)の前半に当たる時期は、彼の周辺に公私共にさまざまな出来事があった。そんな日々の中で、先祖への崇敬、現世における願望の成就、そして未来の極楽往生に向けて彼がおこなった宗教活動について考察する。