著者
遠藤 匡俊
出版者
社団法人 東京地学協会
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.113, no.3, pp.421-424, 2004-01-01

蝦夷地は2度にわたり幕府の直轄地となり,アイヌの風俗・習慣を和人風に変えるという同化政策が実施された。この同化政策によって,アイヌの個人名がアイヌ名(アイヌ語の名)から和名(日本語の名)に改名される和名化が生じた。これまで和名化は,幕府の同化政策によってアイヌ文化が変容する事例として注目されてきた。また,アイヌ社会には「近所に生きている人と同じ名をつけない」という個人名の命名規則が存在していた。個人名の命名にあたって,文字をもたなかったアイヌは,周囲の人々の名を思い浮かべて,同じ名とはならないように配慮したものと考えられる。しかし,従来の研究では,和名化の展開過程は明確ではなく,和名化と命名規則の関係についても必ずしも明確ではなかった。本研究の目的は,アイヌ社会における和名化の展開過程を示した上で,和名化と命名規則の関係について検討することである。

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