著者
伊勢田 哲治
出版者
名古屋工業大学技術倫理研究会
雑誌
技術倫理研究 = Journal of engineering ethics (ISSN:13494805)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-36, 2016-11-30

フォード・ピントの設計上の欠陥の事例は, その設計のもとになったとされる非倫理的計算を示す「ピント・メモ」とともに, 日本の技術者倫理教科書の中で頻繁に言及されてきた. しかし、この事例についての「通説」には多くの不正確な点があり, とりわけ, 「ピント・メモ」は実はピントの設計に直接は関係しない文書であることが分かっている. この問題についての注意喚起はすでになされているが, 技術者倫理教育コミュニティの反応はそれほど敏感とはいえない. 本論文では「通説」の不正確な部分をより一次資料に近い文献をもとに確認するとともに, 現行の技術者倫理教科書でこの事例がどのように扱われているか, 具体的に検討し, 分類する. さらに, 現行のさまざまな取り上げ方に長短があることを踏まえ, 本論文で「フィクション派」と名付ける, 別の取り上げ方を提案する.

言及状況

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フォードのピント事件はある一定以上の年齢の技術者教育を受けた人は技術者倫理の項目で学んでいる。これちょっと史実と教科書の記述の通説、神話化したモノが違う事が問題となってる フォードピント事件をどう教えべきか https://t.co/g7PFINHGip 会社は何の責任を問われるか https://t.co/6XLAvKzoPE
メモ https://t.co/fKVGAqHwwO
それはそれとして過程で見つけた論文が面白そうだったので読んでる。デザインからは全く離れるけど。 https://t.co/JNdY7de5Ez

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