著者
寺崎 恵子
雑誌
聖学院大学論叢 = The Journal of Seigakuin University (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.第26巻, no.第1号, pp.63-78, 2013-10

古来,多くの演劇論は,教育問題としてスペクタクルが有用であるか,非道徳であるかについて,論争を重ねてきた。演劇的な意味において,主体と客体との関係には,模倣という理解し難い状況がある。関心とは,こうした状況における主体と対象との模倣の関係のあり方に把握できるのであり,関心の原義である「間-在(inter-esse)」をその状況に把握することができる。ルソーは,『ダランベール氏への手紙』(1758年)において,教育(instruction)の意味を演劇的な関係における関心に見出した。それは,双方向的な自己省察にかかわる理論構成にあって,主体的と対象的,能動的と受動的,同一化と異化,他動性と自動性のあいだにとらえることができる。ルソーは,関心の中間的態勢に2つの志向を把握した。一方は,対象への没入という利害関心に陥ることである。もう一方は,共通の関心に準拠することである。本稿は,ルソーが演劇の場における自己省察的な関心を中動相にとらえて説明していることに着目して,関心の条件を解明するものである。

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