ギリシャ以来の大問題である音楽現象は、名曲・名演奏の仕組みを解明するという究極の大問題へ向かって、今日の音楽心理学、音響心理学等に引き継がれて取り組まれてきた。特に音楽心理学では1956年のL.B.Meyerの歴史的論文Emotion and Meaning in Musicに端を発してアメリカを中心に著しい研究成果を挙げてきた。が、それでも究極の大問題にはたどり着いていない。名曲の仕組みと音楽現象の解明とを結びつけることが論文の目的である。全体は考察と楽曲分析から成り立つが、理論編前半を「その1」、分析編を「その2」として、既に発表している。この「その3」は、未完成だった理論編の後半部分に位置し、認知と情動から音楽を考察する。それは生成音楽論への挑戦でもある。