著者
平 辰彦
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.15-40, 2017-03-31

本稿は、2015年12月8 日(水)に東京・国立能楽堂で初演された『能・ロミオとジュリエット』(原作:シェイクスピア・翻案:宗片邦義)の公演を取りあげ、シェイクスピア劇と日本の古典芸能である能楽が、いかに「ハイブリッド」な演劇として上演されたかを、比較演劇学の視座から考察したものである。原作の悲劇と能の様式に翻案された古典芸能を比較し、(1)劇的効果を生むドラマトゥルギー(2 )舞台構成(3 )演出法の3 点に焦点を当てて分析し、その相違点と類似点を指摘する。シェイクスピアは、恋愛悲劇のひとつとして『ロミオとジュリエット』を書き、愛と憎しみの対立する状況の中で、「赦し」をテーマにし、二人の<死>によって<愛の永遠性>を描いたが、『能・ロミオとジュリエット』では、シェイクスピア劇に能の様式が融合され、ロミオとジュリエットの霊が白装束であらわれ、二人は舞ながら昇天してゆく場面で終わる。本稿の目的は、このような『能・ロミオとジュリエット』のインターカルチュアル(intercultural)な特色を検証し、「融合文化」の事例研究として『能・ロミオとジュリエット』の上演意義を明らかにすることにある。

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https://t.co/akpmnKbEMy 全然関係ないかもしれないけど面白そうなのであとで読むシェイクスピア論文

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