著者
熊木 淳
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.22/23, pp.31-45, 2013-03-31

本論の目的は、1950 年代にフランスにあらわれた音声詩の二つの起源を明らかにすることである。20 世紀前半の前衛詩の成果を引き継ぎつつも、独自の発展を遂げた音声詩の発生の経緯からして、きわめて還元主義的で、テクストやその意味作用よりも声や音に重きを置いたレトリスムの詩の影響は否定できない。なぜならそのレトリスムで活動行っていたフランソワ・デュフレーヌが発明した「叫びのリズム」が初期の音声詩とされるからである。しかし彼自身、『ピエール・ラルースの墓』(1958)においてテクストの意味作用に回帰し、またフランス音声詩の中心人物ともいえるベルナール・ハイツィックも同様に意味作用を決して放棄することなく、レトリスムとは全く違う文脈から音声詩に独特なアプローチを行っている。そこで本論では、フランスの音声詩を特徴づけたこのテクストの意味作用への回帰が、20 世紀前半にその活動を行い後の詩人たちに多大な影響を及ぼしたアントナン・アルトーの詩学と関連づけることで、フランスにおける音声詩の「退行」とも呼ぶべき現象を理論的に明らかにする。
著者
櫻井 準也 Junya SAKURAI 尚美学園大学総合政策学部 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.99-113, 2017-09-30

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は1990年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、数多くの遺跡や考古学者が登場する長期連載の青年漫画が出現すること、考古学者が登場する少女漫画が増加することも1990年代の特徴である。さらに、この時期の考古学者キャラクターには従来のようなサファリ・ルックの中年男性も存在するが、実際の考古学者イメージに近いキャラクターも多くみられる。この傾向は1980年代後半からの傾向を踏襲するものであるが、その背景として発掘現場などの詳細な調査に基づく作品制作、人物表現の精緻化、さらにはわが国において考古学者が認知されてきたことが考えられる。The archaeologist appeared in Japanese comics which are one of the contemporary popular cultures at many works. In 1990s, the number of works further increases and the genre is also various. Moreover, it is also the features of Japanese comics of the 1990s that the youth comics of the long-term series in which many archaeological sites and archaeologists appear, and that the number of the girls' comics in which an archaeologist appears increases. Furthermore, while the middle-aged male of Safari look like before existed in the archaeologist character of this time, many characters similar to an actual archaeologist came to be seen. This distinction has followed the tendency of the archaeologist character of the second half of the 1980s, and can consider the works based on the research of archaeological site spot, and elaboration of character expression, and also archaeologist has recognized in Japan as that background.
著者
櫻井 準也 Junya SAKURAI 尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.101-110, 2016-09-30

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つである漫画には、手塚治虫や石ノ森章太郎などの漫画界の巨匠たちをはじめ、多くの漫画家の作品に考古学者が登場してきた。その数は1960年代まではそれほど多くなかったが、1970年代になるとその作品数が増え、当時のオカルトブームの影響を受けた作品に考古学者が登場するなど当時の世相を反映している。また、1950年代から1960年代の考古学者キャラクターは中年男性で、普段は学者らしいスーツ姿、発掘調査や野外活動においては作業着姿やサファリ・ルックで描かれるが、1970年代になるとこれらとは異なったイメージの新たなキャラクターが出現している。このように、漫画作品は当時の日本社会における考古学者や考古学のイメージを知ることができる貴重な資料として捉えることができる。The archaeologist appeared in Japanese comics which are one of the contemporarypopular cultures at many comic writer's works including the maestros of Japanese comiccommunity, such as Osamu Tezuka and Shoutarou Ishinomori. Although there were notso many comics in which an archaeologist appeared till the 1960s, when the 1970s came,the number of the comics increased, and reflecting a social trend of those days. For example,some archaeologist characters appeared in the work which was subject to the influenceof the occult boom of 1970s. And the archaeologist character of 1950s-1960s wasmiddle-aged man and usually wore the scholar like suit, and wore fatigue uniform or Safarilook at excavation and outdoor activity. After 1970s, the new archaeologist characterof different image from these characters has appeared. Japanese comic works can be regardedas precious data which can know the image of archaeologist and archaeology inJapanese society of those days.
著者
定村 薫
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.17-33, 2019-09

本研究は、日本を代表する作詞家のひとりである松本隆の作詞した楽曲の歌詞を分析する。松本隆はそれまでの歌謡曲の歌詞の概念を大きく変える斬新な歌詞を発表し、後進の作詞家やシンガーソングライターにも大きな影響を与えている。本研究では歌詞に使用される単語の頻度から、松本隆の歌詞の特徴を他の作詞家との比較によって数的に捉えることを目的とする。
著者
金原 由紀子 Yukiko KANEHARA 尚美学園大学総合政策学部
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.61-75, 2009-03-31

本研究は、中部イタリア・トスカーナ地方の共和制都市国家において、聖人の聖遺物がどのように収集され、教会側とコムーネ政府側によっていかに利用されたかを解明するものである。その一例として、5世紀頃から14世紀のピストイア大聖堂を取り上げ、聖堂の守護聖人、祭壇の捧げられた聖人、移葬された聖遺物について現存史料より再構成を試みる。そして、同聖堂の最も重要な聖遺物である使徒大ヤコブの聖遺物に注目し、この聖遺物が12世紀初頭にコンポステーラ大司教ディエゴ・ヘルミレスからピストイア司教アットに分与された経緯とその意図について論じた。当時のピストイアでは、コムーネ政府の誕生により司教の特権が脅かされ、政府高官コンソリと司教の関係が極度に悪化していた。そこで司教アットは、両者の関係改善のために聖遺物の入手を試みたと考えられる。共和制都市国家が発展した時期の聖遺物収集には、教会とコムーネ政府の複雑に絡まり合った政治的意図が反映されているのである。This paper aims to analyze how the relics of saints were obtained and used by the Church and the government in the Tuscan city-states in central Italy. I took up the case of the cathedral of Pistoia from the fifth to the fourteenth century and examined the transition of its titulus, the altars dedicated to saints and the translatio of the relics by analyzing the related documentations. In particular, I noted the relic of St. James the Great, the most important relic in the cathedral: I discussed the purpose for which St. Atto, the bishop of Pistoia, requested the archbishop of Compostela, Diego Gelmirez, to donate this relic in the early twelfth century, and the process involved therein. In Pistoia during this period, the bishop's privileges were threatened by the rise of an autonomous government and the relationship between the government officials (consoli) and the bishop deteriorated. It seems, therefore, that the Bishop Atto strived to acquire this relic to improve this strained relationship. During the development of the city-states, the intricate political relationship between the Church and the government was reflected in the collection of relics.
著者
櫻井 準也
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.101-110, 2016-09-30

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つである漫画には、手塚治虫や石ノ森章太郎などの漫画界の巨匠たちをはじめ、多くの漫画家の作品に考古学者が登場してきた。その数は1960年代まではそれほど多くなかったが、1970年代になるとその作品数が増え、当時のオカルトブームの影響を受けた作品に考古学者が登場するなど当時の世相を反映している。また、1950年代から1960年代の考古学者キャラクターは中年男性で、普段は学者らしいスーツ姿、発掘調査や野外活動においては作業着姿やサファリ・ルックで描かれるが、1970年代になるとこれらとは異なったイメージの新たなキャラクターが出現している。このように、漫画作品は当時の日本社会における考古学者や考古学のイメージを知ることができる貴重な資料として捉えることができる。
著者
櫻井 準也
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.99-113, 2017-09-30

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は1990年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、数多くの遺跡や考古学者が登場する長期連載の青年漫画が出現すること、考古学者が登場する少女漫画が増加することも1990年代の特徴である。さらに、この時期の考古学者キャラクターには従来のようなサファリ・ルックの中年男性も存在するが、実際の考古学者イメージに近いキャラクターも多くみられる。この傾向は1980年代後半からの傾向を踏襲するものであるが、その背景として発掘現場などの詳細な調査に基づく作品制作、人物表現の精緻化、さらにはわが国において考古学者が認知されてきたことが考えられる。
著者
櫻井 準也 Junya SAKURAI 尚美学園大学総合政策学部 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.103-122, 2018-09 (Released:2019-01-23)

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は2000年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、わが国で起こった旧石器捏造事件の影響を受けた作品がみられることや大学の考古学研究室が舞台となった作品が登場することも2000年代の特徴である。この時期の考古学者キャラクターについては、サファリ・ルックやインディ・ジョーンズ風の服装の男性、さらにはトレジャーハンターのような風貌や服装の考古学者、少女漫画における美形の若い男性考古学者など実際とは明らかに異なるキャラクターもみられる。その一方で、様々なジャンルで考古学者が登場する漫画作品が増加し、実際の考古学者に近い風貌に描かれたキャラクターが多くみられ、大学の考古学研究室が舞台となる作品が登場しているなどの傾向から、わが国の漫画界において考古学者がより身近な存在になったことが窺える。 The archaeologist appeared in Japanese comics which are one of the contemporary popular cultures at many works. In 2000s, the number of works further increases and the genre is also wideranging. And it is also the feature of the 2000s that the existence of the work which was subject to the influence of the Japanese Paleolithic hoax, and the work in which the archaeology laboratory of university became a stage. And about the archaeologist character of this time, there are clearly different characters from actual archaeologist, such as the male archaeologist of Safari look or the Indiana Jones style and also an archaeologist of the looks and cloth like a treasure hunter, and pretty young male archaeologist in girls’ comics. Meanwhile, it can observe that the archaeologist became a more familiar existence in Japanese comic community from the tendency for archaeologist characters drawn on the comics work increased in various genres and they looked similar to the actual archaeologist, and also the work in which an archaeology laboratory of university serves as a stage has appeared.
著者
平 辰彦 Tatsuhiko TAIRA 尚美学園大学総合政策学部非常勤 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.67-98, 2017-09-30 (Released:2018-01-11)

この論文は、比較文学の視点から「禅」と「ユーモア」に焦点をあてR.H. ブライスの英語による川柳の翻訳を考察したものである。戦前までの川柳の英語による翻訳の系譜を辿り、戦後のブライスの川柳の翻訳が、それ以前の日本人による翻訳とどのように違うのかを原句と比較しながら、考察した。形式の面では、ブライスの川柳の翻訳は、俳句の翻訳と同様に三行形式で訳されている点に特色がある。ブライスの俳句や川柳の翻訳には、「禅は詩」であり、「禅はユーモア」であるという視点が強くあらわれている。ブライスは、俳句の翻訳を通して「禅は詩」であるという視点を表明し、川柳の翻訳を通して「禅はユーモア」であることを明らかにしている。ブライスにとって〈禅と詩とユーモア〉は三位一体のものなのである。韻律の面では、ブライスの翻訳は川柳も俳句も17音よりも短い音数で創作されている。翻訳に用いられる言葉は、口語的な表現が使われ、詩的な技法には、擬人法やメタファー(暗喩)などが用いられている。ブライスは、日本人以上に川柳という文芸を俳句と対等に論じ、両者の相違点を理解した禅の実践者であり、比較文学の視点を身につけた、日本と西洋の融合文化を実践した国際人であったと結論づけることができる。 Mark’s House near the Tor Road in Kobe.With the arrival of the American occupation forces, Blyth was freed and was able to play a significant part in the peace process, to the benefit of Japan. After the war, he and Harold G. Henderson(1889-1974) were prominent go-betweens in the cause of peace between Japan and the Allies.Henderson, also, a haiku scholar, was on the staff of General Mac Arthur’s GHQ. Blyth went to see him, and learnt that Mac Arthur wanted to close down Gakushuin University.Blyth persuaded him to let it continue, opening it to the general public. Blyth began teaching at Gakushuin University after the war. At the same time, Blyth became private tutor to the Crown Prince Akihito, and was to say that the Prince was the pupil he taught longest.Blyth’s first book, Zen in English Literature and Oriental Classics was published in 1942 in the midst of the war. In the prison Blyth went on to write parts of the volumes on Haiku and Senryu.The first editions of Blyth’s four volumes of Haiku tranlations and commentaries, published between 1949 and 1952 by Hokuseido. He wrote assiduously: Senryu (1949), Japanese Humour (1954), Oriental Humour (1959), Japanese Life and Character in Senryu (1961) and so on.Blyth demonstrated that Zen is poetry through English translations of Haiku and Zen is humour through English translations of Senryu.A feature of Zen and Humour are admitted on the translations of Blyth’s Haiku and Senryu through in these works.The question whether Senryu is poetry or not has been debated by Japanese critics ever since the inception of Senryu.If it were accepted that Haiku is poetry, it would not be difficult to prove that Senryu is poetry.I conclude that Blyth was a cosmopolitan who practiced the Zen Buddhism and harmony & combination of cultures from a comparative point of view.
著者
藪崎 聡
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.69-82, 2018-03-31

講道館柔道の投げ技の中でも、山嵐は使えるものが少なく、極めて特殊な技と言える。また使用者であった西郷四郎が、この技について直接的な文章を残していないことから後世の柔道家にとって、実態がはっきりしない幻の技となっている。筆者は約25年前に日本武道学会で一般口頭発表として、この技が柔道技術書において著者達の得意技に近寄せて記載されていることを指摘し伝承の不十分さと旧来の柔道家達の我田引水的な判断を批判した。また当時は柔道を総合格闘技的な視点でとらえることが流行っていたため山嵐は背負い投げや体落、払い腰などの一連の投げ技とは逆の回転で肘や肩の関節を制しながら投げたのではないか、古流の柔術、特に大東流合気柔術の技が用いられたのではないかという推論が出された。本研究ではこの技を最も間近に見てきたであろう富田常次郎の手記を中心に、嘉納治五郎が山嵐に込めた願いについて述べた。また、西郷四郎の用いた原点の山嵐は、現在講道館の手技として教えられているものに近いものであることを論証した。
著者
平 辰彦
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.15-40, 2017-03-31

本稿は、2015年12月8 日(水)に東京・国立能楽堂で初演された『能・ロミオとジュリエット』(原作:シェイクスピア・翻案:宗片邦義)の公演を取りあげ、シェイクスピア劇と日本の古典芸能である能楽が、いかに「ハイブリッド」な演劇として上演されたかを、比較演劇学の視座から考察したものである。原作の悲劇と能の様式に翻案された古典芸能を比較し、(1)劇的効果を生むドラマトゥルギー(2 )舞台構成(3 )演出法の3 点に焦点を当てて分析し、その相違点と類似点を指摘する。シェイクスピアは、恋愛悲劇のひとつとして『ロミオとジュリエット』を書き、愛と憎しみの対立する状況の中で、「赦し」をテーマにし、二人の<死>によって<愛の永遠性>を描いたが、『能・ロミオとジュリエット』では、シェイクスピア劇に能の様式が融合され、ロミオとジュリエットの霊が白装束であらわれ、二人は舞ながら昇天してゆく場面で終わる。本稿の目的は、このような『能・ロミオとジュリエット』のインターカルチュアル(intercultural)な特色を検証し、「融合文化」の事例研究として『能・ロミオとジュリエット』の上演意義を明らかにすることにある。
著者
川本 勝
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.17-39, 2018-03-31

前回(川本勝2017b)に続き、「株価<前回の買値 かつ 株価≦資金であれば、株を買い増す」という追加条件の下で、東京証券取引所が公表している2013年のTOPIXCore30中の銘柄28社について、更に「株式売買のシミュレーション」を行った。その結果、前回(川本勝2017b)に比べて売り回数と成功率の改善は僅かであった。この事実は、他の改善要素が未だ残っていることを示唆している。これは、今後の重要な研究課題である。なお、この結果が東京証券取引所に上場している全ての企業について同様に当てはまるかどうかは、別途、調査が必要である。これらの結果は、筆者が既に発表している6本の論文(川本勝2014、2015、2016a、2016b、2017a、2017b)の結果とも矛盾しない。
著者
土屋 貴裕
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.22/23, pp.107-125, 2013-03-31

本研究は、軍事財務関連資料から中国人民解放軍の予算内経費の定義と特徴を明らかにすることを目的とする。中国の「軍事経費」は「軍事予算経費」と「軍事予算外経費」とに分かれている。その内、「軍事予算経費」の主要な構成要素である「軍隊予算経費」は軍内部の予算科目規定が存在する。そこで、軍の予算経費の分類項目が記されている「予算科目」から各項目とその範囲などを分析した。分析の結果、(1)「軍事予算経費」は中央財政から拠出され、「軍隊予算経費」や「人民武装警察部隊予算経費」などで構成されていること、(2)「軍隊予算経費」は建軍当初から規定しており、1953 年に初めて制度化され、軍の予算経費管理制度および科目表は2001年までに過去8 回の大規模な修訂がなされてきたこと、(3)軍事予算外経費の減少とは対照的に軍事予算経費の主財源である国防費が増額されてきたこと、などが明らかとなった。この軍事予算経費は、国防費以外の国家財政項目からも拠出されているが、その詳細は依然として不透明である。他方、党は軍の自律性を抑え、腐敗を減らすために、予算外経費を減少させ、その代わりに国家財政の枠から拠出することで、軍を統制する意図があるものと考えられる。
著者
江頭 満正
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-16, 2019-03

日本において音楽フェスティバルへの参加は一般的になり、音楽産業として見過ごせなくなった。しかしその参加動機については、ほとんど知られてない。本研究はVIVA LAROCK(埼玉)を事例に、参加動機を探るものである。訪問者を再来場回数で分け、探索的因子分析を行った。 その結果再来場回数が増えるにつれて、出演アーティストではなく、フェスティバル要素が評価されていることが明らかになった。この結果は、音楽フェスティバルの競合は、ディズニーランドである可能性を示唆している。
著者
川本 勝
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.23-35, 2014-10-31

東京証券取引所が公表しているTOPIX Core30の2013年のデータに限ったものではあるが、株式を、「局所的な極小値で買い、極大値で売る」事を繰り返せば、特別に株式投資の専門的知識を持たず、情報リテラシーの知識しかないような「素人」でも十分に利益を出せる事が解った。特に、このような売買を60回程度繰り返せば、その利益は投資した原資の2倍程度になる。また、取引手数料が無料なNISA業者を選んでNISA口座を作る事が、この手法の重要なポイントである。しかし、この調査結果が、東京証券取引所に上場している全ての企業について同様に当てはまるかどうかは、別途、検証が必要である。
著者
櫻井 準也
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.87-98, 2017-03-31

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場してきた。その作品数は1980年代になると若干増加するが、その前半ではSF漫画やオカルト漫画に考古学者が登場していたのに対し、後半になるとギャグ漫画・アクション漫画・アドベンチャー漫画などに考古学者が登場するようになる。また、1980年代の考古学者キャラクターは必ずしも従来のような中年男性、スーツ姿、ステレオタイプ化したサファリ・ルックではない。実際の考古学者に近いキャラクターもあれば、映画「インディ・ジョーンズシリーズ」の影響を受けたキャラクターや女性考古学者が登場するなど、考古学者イメージが多様化している。このように考古学者が登場する1980年代の漫画作品には1970年代とは異なる傾向がみられる。
著者
櫻井 準也
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.103-122, 2018-09

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は2000年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、わが国で起こった旧石器捏造事件の影響を受けた作品がみられることや大学の考古学研究室が舞台となった作品が登場することも2000年代の特徴である。この時期の考古学者キャラクターについては、サファリ・ルックやインディ・ジョーンズ風の服装の男性、さらにはトレジャーハンターのような風貌や服装の考古学者、少女漫画における美形の若い男性考古学者など実際とは明らかに異なるキャラクターもみられる。その一方で、様々なジャンルで考古学者が登場する漫画作品が増加し、実際の考古学者に近い風貌に描かれたキャラクターが多くみられ、大学の考古学研究室が舞台となる作品が登場しているなどの傾向から、わが国の漫画界において考古学者がより身近な存在になったことが窺える。
著者
櫻井 準也
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.39-53, 2014-03-31

わが国において遺跡は埋蔵文化財として捉えられ、長い間保護すべき対象として扱われてきた。しかし、近年になって遺跡を観光資源や「町おこし」などに積極的に活用しようという動きが出てきている。こうした傾向に対して、本稿では遺跡の活用のあり方の一つであり、現在全国各地で実施されている「遺跡まつり」を取り上げた。まず、全国各地で実施されている「遺跡まつり」の現状について概観し、教育普及型と町おこし型という「遺跡まつり」の類型化を試みた。その後、具体的な事例として町おこし型の「遺跡まつり」である「芝山はにわ祭」(千葉県芝山町)の歴史や催しものについて詳細に検討した。そして、この祭りは行政のバックアップによる「町おこし」としての役割だけでなく、地元の小中学生を古代人として参加させることによって「地域アイデンティティの創出」に寄与していることを指摘した。
著者
川本 勝
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.21-45, 2017-09-30

「手持ち資金は初値の2 倍」という条件で、東京証券取引所が公表している2013年のTOPIX Core30中の銘柄28社について「株式売買のシミュレーション」を行った。その結果、以前の2 論文(川本勝2016a、2017)に比べて売り回数と成功率は大きく改善した。しかし、この結果は、当初の研究(川本勝2014)で求まった「売買を60回程度繰り返せば、その利益は投資した原資の2 倍程度になる」という理想値には遠く及ばない。この事実は、他の改善要素が未だ残っていることを示唆している。これは、今後の重要な研究課題である。なお、この結果が東京証券取引所に上場している全ての企業について同様に当てはまるかどうかは、別途、調査が必要である。これらの結果は、筆者が既に発表している5 本の論文(川本勝2014、2015、2016a、2016b、2017)の結果とも矛盾しない。
著者
金原 由紀子 Yukiko KANEHARA 尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.16/17, pp.61-75, 2009-03-31

本研究は、中部イタリア・トスカーナ地方の共和制都市国家において、聖人の聖遺物がどのように収集され、教会側とコムーネ政府側によっていかに利用されたかを解明するものである。その一例として、5世紀頃から14世紀のピストイア大聖堂を取り上げ、聖堂の守護聖人、祭壇の捧げられた聖人、移葬された聖遺物について現存史料より再構成を試みる。そして、同聖堂の最も重要な聖遺物である使徒大ヤコブの聖遺物に注目し、この聖遺物が12世紀初頭にコンポステーラ大司教ディエゴ・ヘルミレスからピストイア司教アットに分与された経緯とその意図について論じた。当時のピストイアでは、コムーネ政府の誕生により司教の特権が脅かされ、政府高官コンソリと司教の関係が極度に悪化していた。そこで司教アットは、両者の関係改善のために聖遺物の入手を試みたと考えられる。共和制都市国家が発展した時期の聖遺物収集には、教会とコムーネ政府の複雑に絡まり合った政治的意図が反映されているのである。