著者
櫻井 準也
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.65-75, 2019-09

1988年に公開された『となりのトトロ』はわが国だけでなく、世界中の子どもたちに根強い人気を誇るわが国を代表するアニメ映画である。また、この作品の主人公の父親が考古学者であること、トトロの寝床に縄文土器があること、そして作品の自然観にわが国の縄文時代のナラ林文化や照葉樹林文化が影響していることなど、本作品には多くの考古学的要素がみられる。本稿では、作品の概要や父親のモデルとなったと思われる実在の考古学者について説明し、父親が所蔵する書籍や縄文土器などの映像分析を行うことによって、本作品と日本考古学との関わりについて指摘した。
著者
櫻井 準也
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi-Gakuen University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.34, pp.65-75, 2019-09

1988年に公開された『となりのトトロ』はわが国だけでなく、世界中の子どもたちに根強い人気を誇るわが国を代表するアニメ映画である。また、この作品の主人公の父親が考古学者であること、トトロの寝床に縄文土器があること、そして作品の自然観にわが国の縄文時代のナラ林文化や照葉樹林文化が影響していることなど、本作品には多くの考古学的要素がみられる。本稿では、作品の概要や父親のモデルとなったと思われる実在の考古学者について説明し、父親が所蔵する書籍や縄文土器などの映像分析を行うことによって、本作品と日本考古学との関わりについて指摘した。
著者
櫻井 準也 Junya SAKURAI 尚美学園大学総合政策学部 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.99-113, 2017-09-30

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は1990年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、数多くの遺跡や考古学者が登場する長期連載の青年漫画が出現すること、考古学者が登場する少女漫画が増加することも1990年代の特徴である。さらに、この時期の考古学者キャラクターには従来のようなサファリ・ルックの中年男性も存在するが、実際の考古学者イメージに近いキャラクターも多くみられる。この傾向は1980年代後半からの傾向を踏襲するものであるが、その背景として発掘現場などの詳細な調査に基づく作品制作、人物表現の精緻化、さらにはわが国において考古学者が認知されてきたことが考えられる。The archaeologist appeared in Japanese comics which are one of the contemporary popular cultures at many works. In 1990s, the number of works further increases and the genre is also various. Moreover, it is also the features of Japanese comics of the 1990s that the youth comics of the long-term series in which many archaeological sites and archaeologists appear, and that the number of the girls' comics in which an archaeologist appears increases. Furthermore, while the middle-aged male of Safari look like before existed in the archaeologist character of this time, many characters similar to an actual archaeologist came to be seen. This distinction has followed the tendency of the archaeologist character of the second half of the 1980s, and can consider the works based on the research of archaeological site spot, and elaboration of character expression, and also archaeologist has recognized in Japan as that background.
著者
櫻井 準也 Junya SAKURAI 尚美学園大学総合政策学部 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi-Gakuen University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.32, pp.103-122, 2018-09

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は2000年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、わが国で起こった旧石器捏造事件の影響を受けた作品がみられることや大学の考古学研究室が舞台となった作品が登場することも2000年代の特徴である。この時期の考古学者キャラクターについては、サファリ・ルックやインディ・ジョーンズ風の服装の男性、さらにはトレジャーハンターのような風貌や服装の考古学者、少女漫画における美形の若い男性考古学者など実際とは明らかに異なるキャラクターもみられる。その一方で、様々なジャンルで考古学者が登場する漫画作品が増加し、実際の考古学者に近い風貌に描かれたキャラクターが多くみられ、大学の考古学研究室が舞台となる作品が登場しているなどの傾向から、わが国の漫画界において考古学者がより身近な存在になったことが窺える。The archaeologist appeared in Japanese comics which are one of the contemporary popular cultures at many works. In 2000s, the number of works further increases and the genre is also wideranging. And it is also the feature of the 2000s that the existence of the work which was subject to the influence of the Japanese Paleolithic hoax, and the work in which the archaeology laboratory of university became a stage. And about the archaeologist character of this time, there are clearly different characters from actual archaeologist, such as the male archaeologist of Safari look or the Indiana Jones style and also an archaeologist of the looks and cloth like a treasure hunter, and pretty young male archaeologist in girls' comics. Meanwhile, it can observe that the archaeologist became a more familiar existence in Japanese comic community from the tendency for archaeologist characters drawn on the comics work increased in various genres and they looked similar to the actual archaeologist, and also the work in which an archaeology laboratory of university serves as a stage has appeared.
著者
櫻井 準也 Junya SAKURAI 尚美学園大学総合政策学部
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.29, pp.87-98, 2017-03

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場してきた。その作品数は1980年代になると若干増加するが、その前半ではSF漫画やオカルト漫画に考古学者が登場していたのに対し、後半になるとギャグ漫画・アクション漫画・アドベンチャー漫画などに考古学者が登場するようになる。また、1980年代の考古学者キャラクターは必ずしも従来のような中年男性、スーツ姿、ステレオタイプ化したサファリ・ルックではない。実際の考古学者に近いキャラクターもあれば、映画「インディ・ジョーンズシリーズ」の影響を受けたキャラクターや女性考古学者が登場するなど、考古学者イメージが多様化している。このように考古学者が登場する1980年代の漫画作品には1970年代とは異なる傾向がみられる。The archaeologist appeared in Japanese comics which are one of the contemporary popular cultures at many works. In the 1980s, the number of the works increased a little. And while the archaeologist had appeared in SF comics or occult comics at the first half, it becomes in the second half, an archaeologist came to appear in comics full of gags, action comics, adventure comics, etc. Moreover, the archaeologist character of the 1980s is not necessarily the middle-aged man, not wore the suit, and not the stereotyped Safari look. Some character similar to an actual archaeologist, some character is subject to the influence of the movie "Indiana Jones series", and female archaeologist character has appeared. The image of archaeologist was diversified. Thus, the comics work of the 1980s in which archaeologist appeared, has a different tendency from the comics work of the 1970s.
著者
定村 薫
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.17-33, 2019-09

本研究は、日本を代表する作詞家のひとりである松本隆の作詞した楽曲の歌詞を分析する。松本隆はそれまでの歌謡曲の歌詞の概念を大きく変える斬新な歌詞を発表し、後進の作詞家やシンガーソングライターにも大きな影響を与えている。本研究では歌詞に使用される単語の頻度から、松本隆の歌詞の特徴を他の作詞家との比較によって数的に捉えることを目的とする。
著者
金原 由紀子 Yukiko KANEHARA 尚美学園大学総合政策学部
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.61-75, 2009-03-31

本研究は、中部イタリア・トスカーナ地方の共和制都市国家において、聖人の聖遺物がどのように収集され、教会側とコムーネ政府側によっていかに利用されたかを解明するものである。その一例として、5世紀頃から14世紀のピストイア大聖堂を取り上げ、聖堂の守護聖人、祭壇の捧げられた聖人、移葬された聖遺物について現存史料より再構成を試みる。そして、同聖堂の最も重要な聖遺物である使徒大ヤコブの聖遺物に注目し、この聖遺物が12世紀初頭にコンポステーラ大司教ディエゴ・ヘルミレスからピストイア司教アットに分与された経緯とその意図について論じた。当時のピストイアでは、コムーネ政府の誕生により司教の特権が脅かされ、政府高官コンソリと司教の関係が極度に悪化していた。そこで司教アットは、両者の関係改善のために聖遺物の入手を試みたと考えられる。共和制都市国家が発展した時期の聖遺物収集には、教会とコムーネ政府の複雑に絡まり合った政治的意図が反映されているのである。This paper aims to analyze how the relics of saints were obtained and used by the Church and the government in the Tuscan city-states in central Italy. I took up the case of the cathedral of Pistoia from the fifth to the fourteenth century and examined the transition of its titulus, the altars dedicated to saints and the translatio of the relics by analyzing the related documentations. In particular, I noted the relic of St. James the Great, the most important relic in the cathedral: I discussed the purpose for which St. Atto, the bishop of Pistoia, requested the archbishop of Compostela, Diego Gelmirez, to donate this relic in the early twelfth century, and the process involved therein. In Pistoia during this period, the bishop's privileges were threatened by the rise of an autonomous government and the relationship between the government officials (consoli) and the bishop deteriorated. It seems, therefore, that the Bishop Atto strived to acquire this relic to improve this strained relationship. During the development of the city-states, the intricate political relationship between the Church and the government was reflected in the collection of relics.
著者
木村 光太郎 Kotaro KIMURA 尚美学園大学総合政策学部 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.30, pp.47-66, 2017-09

近年、欧米諸国や日本が直面している、代議制民主主義の機能不全、有権者の政党離れ、市民の政治参加の退潮、政治的無関心などの「民主主義の失敗」状況のなかで、いかに政治空間をより多様な人々にたいして開き、民主主義そのものへの不信を払拭するかが政治的課題になっている。理念としての民主主義は、すべての人々による主体的な政治参加と自己を支配する秩序形成(集団的な自己支配)である。政治の現実にかかわる人間とはだれなのかを問うことは、民主主義において重要なテーマである。本稿は、現代の民主主義論における政治主体の再構成の条件を考えるための、ひとつの視座を提示した。また、本稿は、政治主体にたいする懐疑論を大衆社会状況における課題として捉え、思想史の文脈から整理した。さらに、言語論的転回とミシェル・フーコーによる近代的主体概念批判を取り上げ、哲学史的位置づけのなかでの主体の懐疑論について検討を加え、1990年代以降の新しい「市民社会論」に位置づけられる、エルネスト・ラクラウとシャンタル・ムフの「ラディカルな民主主義論」を批判的に検討した。本稿は、ラクラウとムフの「ラディカルな民主主義論」が、西洋中心主義とシニシズムとのあいだで、大衆社会状況のなかで浮かび上がった政治主体にたいする懐疑論にふたたび逢着することを指摘した。The purpose of this paper is to provide one viewpoint for considering the conditions of the reconstruction of political subject in contemporary democratic theory. Skepticism about political subjects has been developed as a matter of mass society in the early 20th century in the fields of social and political thought. In mass society, political subjects who are rationalists with well-educated and property, which the premise of modern democracyhad presupposed, have been lost, and the way in which the subjects of political practice are concerned is not a premise of politics but a political problem. In this paper, I point out that "the radical democracy theory" of Ernesto Laclau and Chantal Muffe, which rely on post-modern philosophy, will reunite with skepticism of the problem of political subjects posed by mass society between Western-centered and postmodern cynicism. Mass society theory is totally a thing of the past, academic arguments rarely being done. It is not because mass society was overcome, but rather the design of the subject just changed.
著者
定村 薫
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi-Gakuen University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.34, pp.17-33, 2019-09

本研究は、日本を代表する作詞家のひとりである松本隆の作詞した楽曲の歌詞を分析する。松本隆はそれまでの歌謡曲の歌詞の概念を大きく変える斬新な歌詞を発表し、後進の作詞家やシンガーソングライターにも大きな影響を与えている。本研究では歌詞に使用される単語の頻度から、松本隆の歌詞の特徴を他の作詞家との比較によって数的に捉えることを目的とする。
著者
荒 まゆみ
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.27, pp.71-88, 2016-03

尚美学園大学で行われている留学生を対象とした入学時の日本語プレイスメントテストの結果をもとに2つの仮説を実証する。次に、1年終了後の達成度判定テストとの比較、さらに日本語能力試験N1の得点との関係を検証する。
著者
櫻井 準也
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.99-113, 2017-09-30

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は1990年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、数多くの遺跡や考古学者が登場する長期連載の青年漫画が出現すること、考古学者が登場する少女漫画が増加することも1990年代の特徴である。さらに、この時期の考古学者キャラクターには従来のようなサファリ・ルックの中年男性も存在するが、実際の考古学者イメージに近いキャラクターも多くみられる。この傾向は1980年代後半からの傾向を踏襲するものであるが、その背景として発掘現場などの詳細な調査に基づく作品制作、人物表現の精緻化、さらにはわが国において考古学者が認知されてきたことが考えられる。
著者
櫻井 準也 Junya SAKURAI 尚美学園大学総合政策学部 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.103-122, 2018-09 (Released:2019-01-23)

現代のポピュラー・カルチャー(大衆文化)の一つであるわが国の漫画には、多くの作品に考古学者が登場する。その作品数は2000年代になるとさらに増加し、そのジャンルも多岐にわたる。また、わが国で起こった旧石器捏造事件の影響を受けた作品がみられることや大学の考古学研究室が舞台となった作品が登場することも2000年代の特徴である。この時期の考古学者キャラクターについては、サファリ・ルックやインディ・ジョーンズ風の服装の男性、さらにはトレジャーハンターのような風貌や服装の考古学者、少女漫画における美形の若い男性考古学者など実際とは明らかに異なるキャラクターもみられる。その一方で、様々なジャンルで考古学者が登場する漫画作品が増加し、実際の考古学者に近い風貌に描かれたキャラクターが多くみられ、大学の考古学研究室が舞台となる作品が登場しているなどの傾向から、わが国の漫画界において考古学者がより身近な存在になったことが窺える。 The archaeologist appeared in Japanese comics which are one of the contemporary popular cultures at many works. In 2000s, the number of works further increases and the genre is also wideranging. And it is also the feature of the 2000s that the existence of the work which was subject to the influence of the Japanese Paleolithic hoax, and the work in which the archaeology laboratory of university became a stage. And about the archaeologist character of this time, there are clearly different characters from actual archaeologist, such as the male archaeologist of Safari look or the Indiana Jones style and also an archaeologist of the looks and cloth like a treasure hunter, and pretty young male archaeologist in girls’ comics. Meanwhile, it can observe that the archaeologist became a more familiar existence in Japanese comic community from the tendency for archaeologist characters drawn on the comics work increased in various genres and they looked similar to the actual archaeologist, and also the work in which an archaeology laboratory of university serves as a stage has appeared.
著者
平 辰彦 Tatsuhiko TAIRA 尚美学園大学総合政策学部非常勤 Shobi University
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.67-98, 2017-09-30 (Released:2018-01-11)

この論文は、比較文学の視点から「禅」と「ユーモア」に焦点をあてR.H. ブライスの英語による川柳の翻訳を考察したものである。戦前までの川柳の英語による翻訳の系譜を辿り、戦後のブライスの川柳の翻訳が、それ以前の日本人による翻訳とどのように違うのかを原句と比較しながら、考察した。形式の面では、ブライスの川柳の翻訳は、俳句の翻訳と同様に三行形式で訳されている点に特色がある。ブライスの俳句や川柳の翻訳には、「禅は詩」であり、「禅はユーモア」であるという視点が強くあらわれている。ブライスは、俳句の翻訳を通して「禅は詩」であるという視点を表明し、川柳の翻訳を通して「禅はユーモア」であることを明らかにしている。ブライスにとって〈禅と詩とユーモア〉は三位一体のものなのである。韻律の面では、ブライスの翻訳は川柳も俳句も17音よりも短い音数で創作されている。翻訳に用いられる言葉は、口語的な表現が使われ、詩的な技法には、擬人法やメタファー(暗喩)などが用いられている。ブライスは、日本人以上に川柳という文芸を俳句と対等に論じ、両者の相違点を理解した禅の実践者であり、比較文学の視点を身につけた、日本と西洋の融合文化を実践した国際人であったと結論づけることができる。 Mark’s House near the Tor Road in Kobe.With the arrival of the American occupation forces, Blyth was freed and was able to play a significant part in the peace process, to the benefit of Japan. After the war, he and Harold G. Henderson(1889-1974) were prominent go-betweens in the cause of peace between Japan and the Allies.Henderson, also, a haiku scholar, was on the staff of General Mac Arthur’s GHQ. Blyth went to see him, and learnt that Mac Arthur wanted to close down Gakushuin University.Blyth persuaded him to let it continue, opening it to the general public. Blyth began teaching at Gakushuin University after the war. At the same time, Blyth became private tutor to the Crown Prince Akihito, and was to say that the Prince was the pupil he taught longest.Blyth’s first book, Zen in English Literature and Oriental Classics was published in 1942 in the midst of the war. In the prison Blyth went on to write parts of the volumes on Haiku and Senryu.The first editions of Blyth’s four volumes of Haiku tranlations and commentaries, published between 1949 and 1952 by Hokuseido. He wrote assiduously: Senryu (1949), Japanese Humour (1954), Oriental Humour (1959), Japanese Life and Character in Senryu (1961) and so on.Blyth demonstrated that Zen is poetry through English translations of Haiku and Zen is humour through English translations of Senryu.A feature of Zen and Humour are admitted on the translations of Blyth’s Haiku and Senryu through in these works.The question whether Senryu is poetry or not has been debated by Japanese critics ever since the inception of Senryu.If it were accepted that Haiku is poetry, it would not be difficult to prove that Senryu is poetry.I conclude that Blyth was a cosmopolitan who practiced the Zen Buddhism and harmony & combination of cultures from a comparative point of view.
著者
江頭 満正
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi-Gakuen University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.35, pp.1-16, 2020-03

音楽フェスティバルの市場は拡大し、様々な理由で観客を引き付けることができる、ユニークで特別なイベントである。しかし、日本では音楽フェスティバルに関する研究は殆ど存在しない。本論の目的は、ロックフェスティバルの初回訪問者とリピーターによる行動の相違点を発見することである。その結果、参加回数による参加動機の違いが明らかになった。初回来場者は音楽を中心とした興味関心が強いが、リピーターは音楽フェスティバル特有の価値を重視していた。この調査の結果から、主催者が大勢の観客を引きつけるために、特定のアーティストだけに頼ることは危険であることが示された。
著者
藪崎 聡
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.69-82, 2018-03-31

講道館柔道の投げ技の中でも、山嵐は使えるものが少なく、極めて特殊な技と言える。また使用者であった西郷四郎が、この技について直接的な文章を残していないことから後世の柔道家にとって、実態がはっきりしない幻の技となっている。筆者は約25年前に日本武道学会で一般口頭発表として、この技が柔道技術書において著者達の得意技に近寄せて記載されていることを指摘し伝承の不十分さと旧来の柔道家達の我田引水的な判断を批判した。また当時は柔道を総合格闘技的な視点でとらえることが流行っていたため山嵐は背負い投げや体落、払い腰などの一連の投げ技とは逆の回転で肘や肩の関節を制しながら投げたのではないか、古流の柔術、特に大東流合気柔術の技が用いられたのではないかという推論が出された。本研究ではこの技を最も間近に見てきたであろう富田常次郎の手記を中心に、嘉納治五郎が山嵐に込めた願いについて述べた。また、西郷四郎の用いた原点の山嵐は、現在講道館の手技として教えられているものに近いものであることを論証した。
著者
角屋 明彦
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.25, pp.37-45, 2014-10

後漢末から三国時代初期にかけての中国には名医・華佗がいた。彼が構築しようとした〈治療世界〉を考察するに際して、曹操の〈政治世界〉との対照を試みる。「流動する混沌に働きかけてととのえる」という原義を持つ「治」なる漢字が、華佗の〈治療世界〉では人体内部の〈気〉の流れに働きかけて「ととのえる」=「なおす」ものであり、曹操の〈政治世界〉では社会に働きかけて「ととのえる」=「おさめる」ものであった。さらには、この〈治療世界〉と〈政治世界〉が〈病やまい〉を介して接触したことが双方に決定的な影響を与え、前者は永遠の生命を有すことに、後者は新たな〈病〉を孕むことになっていった。In order to examine the healing system of Hua Tuo(華佗), I compare it with the politicalsystem of Cao Cao(曹操). The Chinese character zhi(治) originally means "trying toarrange the changing chaos". To Hua Tuo, zhi means "trying to arrange the Qi(気) in humanbody" i.e."to cure". To Cao Cao, zhi means "trying to arrange the political chaos insociety" i.e."to govern". Furthermore, these two differing systems had contact throughthe medium of a disease. This contact gave eternal life to the healing system of Hua Tuoand gave another new disease to the political system of Cao Cao.
著者
平 辰彦
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.15-40, 2017-03-31

本稿は、2015年12月8 日(水)に東京・国立能楽堂で初演された『能・ロミオとジュリエット』(原作:シェイクスピア・翻案:宗片邦義)の公演を取りあげ、シェイクスピア劇と日本の古典芸能である能楽が、いかに「ハイブリッド」な演劇として上演されたかを、比較演劇学の視座から考察したものである。原作の悲劇と能の様式に翻案された古典芸能を比較し、(1)劇的効果を生むドラマトゥルギー(2 )舞台構成(3 )演出法の3 点に焦点を当てて分析し、その相違点と類似点を指摘する。シェイクスピアは、恋愛悲劇のひとつとして『ロミオとジュリエット』を書き、愛と憎しみの対立する状況の中で、「赦し」をテーマにし、二人の<死>によって<愛の永遠性>を描いたが、『能・ロミオとジュリエット』では、シェイクスピア劇に能の様式が融合され、ロミオとジュリエットの霊が白装束であらわれ、二人は舞ながら昇天してゆく場面で終わる。本稿の目的は、このような『能・ロミオとジュリエット』のインターカルチュアル(intercultural)な特色を検証し、「融合文化」の事例研究として『能・ロミオとジュリエット』の上演意義を明らかにすることにある。
著者
川本 勝
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.17-39, 2018-03-31

前回(川本勝2017b)に続き、「株価<前回の買値 かつ 株価≦資金であれば、株を買い増す」という追加条件の下で、東京証券取引所が公表している2013年のTOPIXCore30中の銘柄28社について、更に「株式売買のシミュレーション」を行った。その結果、前回(川本勝2017b)に比べて売り回数と成功率の改善は僅かであった。この事実は、他の改善要素が未だ残っていることを示唆している。これは、今後の重要な研究課題である。なお、この結果が東京証券取引所に上場している全ての企業について同様に当てはまるかどうかは、別途、調査が必要である。これらの結果は、筆者が既に発表している6本の論文(川本勝2014、2015、2016a、2016b、2017a、2017b)の結果とも矛盾しない。
著者
江頭 満正
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi-Gakuen University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.33, pp.1-16, 2019-03

日本において音楽フェスティバルへの参加は一般的になり、音楽産業として見過ごせなくなった。しかしその参加動機については、ほとんど知られてない。本研究はVIVA LAROCK(埼玉)を事例に、参加動機を探るものである。訪問者を再来場回数で分け、探索的因子分析を行った。 その結果再来場回数が増えるにつれて、出演アーティストではなく、フェスティバル要素が評価されていることが明らかになった。この結果は、音楽フェスティバルの競合は、ディズニーランドである可能性を示唆している。