著者
小林 孝郎
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
vol.144, pp.79-96, 2021-03-25

「待遇性接頭辞」の「お」と「ご」とその使い分け方法については,従来から問題点の存在が指摘されてきた。おおかたの研究の示すところは,その使い分けの要諦を「お,ご」に後接する語彙情報に拠るとするもの(「語種原則」)であったが,そこで生じる問題として「お,ご」と後接する語種とのミスマッチをどのように説明するかという点があった。本稿はこれに対して,「お+漢語」「ご+和語」の問題を含めて研究史を概観し,学術的にも日本語教育分野においても「語種原則」が浸透している現状について考察した。次に,「語種原則」に代わる可能性を持つ新たな説明項を模索する研究潮流について論じた。そして,それらの説明項(本稿では「解釈要素」とした)を初級日本語教育に応用することが可能かどうかを日本語教科書の「漢語語彙」を実際に検証することで考察した。

言及状況

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https://t.co/Tg78mUGNRP によれば、山田・奥瀬2013で、漢語か和語か考えて「ご」か「お」かなど選ぶだろうかという問いかけがあったらしく、まあ最終的な結論とはかかわらないが、ひどい問いかけ方である

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