著者
神長 英輔
出版者
新潟国際情報大学国際学部
雑誌
新潟国際情報大学 国際学部 紀要 = NUIS Journal of International Studies (ISSN:21895864)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.53-65, 2022-04-01

この論文は近世後期の蝦夷地におけるコンブ業を概観するものである。具体的には、近世後期のコンブ輸出の拡大、蝦夷地におけるコンブ生産の拡大、アイヌや和人の労働者の移住、彼らが働く労働環境の変化を関係づける試みである。 江戸幕府は1698(元禄11)年に海産物の乾物(俵物と諸色)を中国向けの貿易品として指定し、海産物の貿易体制が公式に成立した。これ以降、コンブは重要な輸出商品になり、主産地である蝦夷地においてコンブ漁業の漁場が拡大した。蝦夷地におけるコンブの産地は、18世紀の末に現在の釧路地方に達し、19世紀前半には現在の根室地方に達した。 コンブ漁業の拡大は労働者としての和人やアイヌの移住を伴った。アイヌの移住は和人の漁場経営者(場所請負商人ら)の強制によるものもあった。コンブ貿易の拡大が蝦夷地におけるコンブ漁業の拡大をもたらし、それが各地のアイヌの生活に深刻な影響を及ぼしたのである。

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近世後期の蝦夷地におけるコンブ漁業の拡大 https://t.co/G1Q0JCuR8d

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