著者
三明 翔
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.5・6, pp.157-196, 2014-10-31

国際化の進む現代では、外国の捜査・司法共助を得て証拠を獲得することが刑事手続の運用に欠かせない場合がある。その一方で、外国機関が証拠収集に用いた手続や制度が我が国のものと異なり、獲得された証拠の証拠能力が争われることがある。国際捜査・司法共助により獲得された証拠の証拠能力を判断した判例はまだ多くないが、今後大きな争点となる可能性が高く、その判断枠組みの構築に取り組む必要がある。本稿は、この関心の下、ロッキード事件最高裁判決(最判平成七年二月二二日刑集四九巻二号一頁)が、検察官による事実上の刑事免責に基づいて米国の裁判所で作成された嘱託証人尋問調書を排除した論理を再検討する。最高裁は、刑訴法が刑事免責制度に関する規定を置いていないことを理由として述べたが、その相当に簡潔な判示に加え、同様の理由に基づく証拠排除の判断が他に存在しないことから、厳密にいかなる理論構成により証拠排除の結論を導いたのかについて、今なお共通の理解が形成されていない。本稿は、これまで主張されてきた種々の理解を検討し、最も整合的な理解を試みた上で、国際共助により獲得された証拠の証拠能力に関して同判決が持つ含意を探る。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

当時の検察は法律にはない「刑事免責」という仕組みを勝手に思いつきで作ってしまった。 しかも裁判所はその違法行為を黙認したわけで、この時点から三権分立はだいぶ怪しい。 https://t.co/lu5vyQ0GEz https://t.co/PlJzFX4RYL

収集済み URL リスト