著者
木村 晶子
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.369-401, 2019-09-30

初期中世アイルランドの修道院はcivitas とされた。修道院すなわちcivitas は様々な罪を犯した者をそのコントロール下に置いた聖域を含む周縁地に保護した。聖域は3つに分かれ,俗人が立ち入れる区域は限定的であり,またその周りに周縁地が広がり,そこでは農業的活動が行われた。さらに修道院の周辺には寄進を行う俗人や施しを得る貧者が集まった。修道院は社会的核となり農村地域の中心地となった。また聖人の祝日を祝う集会が行われ多くの人が集まった。そこでは,交換取引を手工業者と農業従事者が行い,契約の締結なども行われた。この時代のアイルランドの修道院は社会的中心となる空間を提供し,犯罪者や貧者を含む様々な階層の俗人が集まる場であった。

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そういや、アイルランドの修道院が都市的空間を備えていたかに最近興味がわいてきて、いろいろ調べてるんですがなかなか面白い https://t.co/jwTgO9hqoi 初期中世アイルランドにおける修道院civitasの空間的機能とその広がり

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