著者
石井田 恵 Megumi Ishiida
出版者
同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)
雑誌
一神教世界 = The world of monotheistic religions (ISSN:21850380)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.65-89, 2021-03-31

近年、アメリカにおけるキリスト教シオニストの影響力に注目が集まっている。しかし、キリスト教シオニズムは1990 年代以降、東アジアでも影響力を拡大しつつある。このうち、一部の国や地域における特定の団体についての研究は存在するが、それらを体系的に扱った研究はない。そのため、一部の団体に特徴的な--いわば個別的事例を、キリスト教シオニズムに普遍的な事柄と見なし、この運動の実像を見誤る結果を招来しかねない。そこで、本稿では韓国、中文圏、日本におけるキリスト教シオニズムの歴史的展開を辿り、様々な団体による宣教活動、政治活動について概観する。そして、それぞれの組織に共通する特徴が見られる一方で、宣教活動や政治に対する積極性に関しては、差が認められること--多様性が見られることを、指摘する。また、その違いは各国のキリスト教シオニストが置かれている社会的状況や文化的違いを反映している可能性を示唆する。

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