著者
横山 香
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 = Memoirs of the Nara University
巻号頁・発行日
no.51, pp.17-33, 2023-02-28

本稿ではドイツのベストセラー作家シャルロッテ・リンク(Charlotte Link, 1963-)の5つのミステリー小説を取り上げ、女性の登場人物を中心に考察した。人間関係に悩み、孤独で内面に傷を抱えた彼女たちの、怒り、憎しみ、孤独、絶望といった負の感情を、リンクは徹底してリアルに描く。これらの負の感情は、孤独は恥であり、愛されることが幸福であるといった現代社会の価値観に彼女たちが束縛されているために生じるものである。もっともリンクは、そこから自らを解放しようとする姿も描くことを忘れない。こういった登場人物の心理や感情描写は、ミステリー小説の本筋からみれば「余分」であるが、まさにこの部分によって、読者を感情的にテクストに関わらせ、読者に力を与えることになっている。 本稿ではジェンダーの視点から、リンク作品を文化的なテクストとして読む試みをおこない、娯楽文学研究の方法のひとつの可能性を示した。

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PDFあり。 ⇒横山 香 「シャルロッテ・リンクのミステリー小説 : 文化的テクストとして娯楽文学を読む」 『奈良大学紀要』第51号 (2023/3) https://t.co/1NcqEBZYR9

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