著者
島地 岩根 阿部 勲 武田 明正 吉村 貢 シマジ イワネ アベ イサオ タケダ アキマサ ヨシムラ ミツグ Shimaji Iwane Abe Isao Takeda Akimasa Yoshimura Mitsugu
出版者
三重大學農學部附属演習林
雑誌
三重大学農学部演習林報告 (ISSN:05441005)
巻号頁・発行日
no.16, pp.p61-79, 1988-03

森林未利用資源の一つである樹皮を成型燃料として活用するために、三重大学農学部附属演習林における低質広葉樹林の林分構造と現存量および広葉樹樹皮の諸性質に関する一連の基礎研究を実施した。 1 低質広葉樹林の林分構造と現存量 (1)林分構造 かつて薪炭林として利用されていた低質広葉樹林には、ほぼ30~40種の木本類が生育しており、これらの樹種が、高さ14mから20mに達する高木層、7~13mの亜高木層、6m以下の低木層の三層を形成していた。高木層の構成種としては、コハウチワカエデ、イタヤカエデ、ヤマモミジ、ケヤキ、ミズキ、クマシデ、ヤマザクラなどが優占種であった。亜高木層ならびに低木層においては、エゴノキ、カマツカ、クロモジ、アブラチャン、ヤブムラサキなどが優占種であった。(2)現存量 層別刈取法により調査した部分別の乾重は、上・下層では、幹30.0~34.3kg、樹皮5.2~5.4kg、枝12.8~17.3kg、葉2.0~2.3kgで、各層合計乾重は、上層54.7kg、下層54.6kgであった。林床層では、幹0.075kg、樹皮0.008kg、落枝10.050kg、葉0.140kgで、下層合計乾重は10.3kgであった。各層におけるha当りの合計現存量は、上・下層がそれぞれ11t、林床層が2tで、ha当りの総現存量は24tと算定された。このうち樹皮現存量は、上層1.1t、下層1.0t、林床層0.002tであったが、成型燃料化にあたっては、上・下層に現存するha当り約2tの樹皮を利用対象とし、林床層は植生保続のうえから残存させることが得策であると考えられた。(3)樹皮率 広葉樹の樹皮率は2.4~55.6%にわたり、樹種により、同じ樹種でも異なった。そのため、各層における全樹種込みの樹皮率を求めた。その結果、上層10.1%、下層13.1%、林床層9.6%、平均10.9%となった。したがって、平倉演習林の低質広葉林における樹皮現存量は、皮付き幹現存量の約10%であることが推察された。 2 樹幹樹皮の物理化学的性質と成型性 (1)樹皮の粉砕性 材料の靭性に影響する内樹皮率は樹種によって異なるが、大部分の広葉樹樹幹樹皮の内樹皮率は針葉樹樹皮より大きく、80~90%であった。広葉樹樹皮の粉砕性は、針葉樹の場合と同様、原料の靭性、剛性および粉砕機の種類によって異なる。ウイレーミル試験によると、針葉樹樹皮は広葉樹樹皮より粉砕され易いが、他機種では異なった結果がえられ、特にヒノキ、ケヤキ、ミズナラ樹皮など靭性組織の多い試料は粉砕が困難であった。以上の試験によって、物性の大きく変化する木質系試料ではカッター型粉砕機の方が適当しているものと結論づけられる。(2)樹皮の抽出成分含有量とpH 気幹樹皮の熱水および1%NaOH抽出成分含有率は、それぞれ4.3~28.8%、および21.3~61.0%であり、特にカラマツ、キブシ、ムラサキシキブ、サルナシには多くの抽出物が含有している。また、熱水抽出液はpH3.8~5.7の弱酸性を示し、針葉樹樹皮や一般木材のそれと類似していた。なお、加圧成型試験に供した試料のうち、カラマツ、ミズキ、リョウブ、エゴノキ樹皮には多量のメタノール抽出物を含有していた。(3)樹皮の発熱量 一般的に、木材質の発熱量は4,500kcal/kgであるが、樹皮は灰分および抽出物含有量が大きく異なるため、発熱量の樹種による変動も大であると推定される。しかし、大部分の広葉樹樹皮の発熱量は4,000~5,000kcal/kgであり、針葉樹樹皮より約400kcal/kg小さな値を示した。また、樹皮の灰分含有率は木質部より大であり、灰分含有率と発熱量との間には負の相関関係が認められた。(4) 樹皮の加圧成型性 木質系バイオマスには、非結晶性成分を含んでいるが、これら非結晶性物質は熱可塑性を有しているため、加圧加熱によって自着性を示し、高密度物質とすることができる。ペレット状固形燃料化の難易を判定する指標をえるため、ウイレーミルと粉砕試料から5mm厚のボードを作製し、その平面引張り強さを測定した。試験の結果、スギ樹皮は最も成型性に劣り、カラマツ、エゴノキは易成型性樹皮であり、また一般的に抽出成分量の多い試料は、成型性にすぐれていた。なお、難成型性樹皮は、適当な材料の混入によって改善することが可能である。
著者
船岡 正光 Funaoka Masamitsu
出版者
三重大學農學部附属演習林
雑誌
三重大学農学部演習林報告 (ISSN:05441005)
巻号頁・発行日
no.13, pp.p1-154, 1984-12

工業原料となりうるケミカルス取得を意図してリグニンを分解する場合,生成物組成は単純でなければならず,更に付加価値が高く用途が広いことも必要である。しかし,従来のリグニン分解手法は、リグニンの化学構造に開して数多くの重要な知見を提供してきたが,工業的手法としてみた場合,その分解生成物は極めて複雑である。これはリグニン化学構造の不規則性だけでなく, 従来法がいずれもある特定の結合型のみを特異的に開裂させるものではなく,広範な分解反応を引き起こすことに起因している。 リグニン構造の複雑性は,主として側鎖の結合様式の多様性に起因している。芳香核構造ほ比較的単純で,例えば針葉樹リグニンほグアイアシル核のみから成る3次元高分子とみなせる。本研究はリグニンの側鎖―芳香核間結合の特異的且つ定量的開裂反応を用いる,新しい分解手法に関するものである。 本法の特色は,従来法のように酸化あるいは還元手法によってリグニンを分解するのではなく,側鎖α位への芳香族化合物の導入(ジフェニルメタン型構造の形成)により側鎖―芳香核間結合の開裂エネルギーをを低下させ,その結果,芳香族置換反応の逆経絡を経て,リグニン芳香核を反応系に大過剰添加した他の芳香核と交換,遊離させる点にある。更に,「同一系でメトキシル基を脱メチル化させ,最終的に多価フェノールへと誘導することを目指してている。 本論文は総括を含め4編,10章から構成されているが、 結果を要約すると以下の如くである。 1 三フッ化ホウ素・フェノール系におけるリグニンモデル化合物の反応分解試薬として選定した<special>BF3</special>およぴフェノールの存在する系で,種々のモデル化合物を処理し、多価フェノール生成に関して本研究の意図する3段反応(側鎖のフェノール化,フェノールとの核変換およびメトキシル基の脱メチル化)の機作を明確化すると共に,種々のリグニソ構成単位の挙動についても考究した。 1.1側鎖のフェノール化反応側鎖のフェノール化には,従来から反応に関与することが指摘されてきたベンジルアルコールおよびベンジルエーテルだけでなく,共役二重結合,カルポニル基およびカルポキシル基も関与することを明らかにした。ベンジルアルコール,ベンジルエーテルおよび共役二重結合のフェノール化は極めて速やかであるが,カルポニル基およぴカルポキシル基の反応はその分子構造に影響され,例えば40℃,10分の衆件での反応率は,パニリンがほぼ100%であるのに対しω-(2-メトキシフェノキシ)アセトベラトロンでほ約50%と低く,またアセトグアイアコンではほば定量的に未反応物が回収された。従って,従来,リグニン中のフェノール化活性基がペンジルアルコールおよびエーテルとされていたのは,カルポニル基のフェーノール化が十分進行しない条件で反応が行われていたためである。また,フェノール化に伴う生成水ほ<special>BF3</special>の触媒活性を低下させるため,反応に際しては触媒の添加量に留意する必要があること,更にフェノール性水酸基のエーテル化はフェノール化反応に影響しないことも確認した。 1.2 フェノールとの核交換反応フェノール化によってジフェニルメタン型構造を形成したモデル化合物の芳香核は,同条件下で速やかにモノマーとして遊離すること,また側鎖―芳香核間結合の開裂以外,複雑な分解反応はほとんど生じないことを明らかにした。芳香核以外の生成物として,パニリンの反応液からρ-ロゾール酸を単離。同定し,またバニリルアルコールからは4,4′-ジヒドロキシジフェニルメタンおよびそのキノンメチド誘導体の生成を確認した。これらはいずれもフェノールル核のみから構成されており,また同条件における芳香核生成量がほぼ定量的であるところから,上記芳香核の遊離はフェノールとの核交換によると結論した。なお,芳香核遊離の速度ほ開裂中間体カチオンの安定化因子に支配されるだけでなく,フェノール性水酸基の欠如あるいはそのエーテル化によっても大きく低下すること(40℃での芳香核遊離の2次反応速度定数,<special>lmole・mole-1・min-1;アポシノール;70・6×10-2,パニリン;14.9×10-2,ベラトルムアルデヒド;1.9×10-2,バニリルアルコール;1.1×10-2),</special>核交換過程におけるフェノール側の反応位置は,そのρ-位がο-位よりも優先すること,更にρ-位結合核はο-位のそれより速やかに再核交換されることなどを明らかにした。 1.3 メトキシル基の脱メチル化反応グアイアシル核は100℃付近から脱メチル化され始め,処理温度あるいは時間と共に定量的にカテコールへと変換された。一方,シリンギル核はグアイアシル核より緩和な温度条件下で逐次脱メチル化され,最終的にとピロガロールへと誘導されるが ,100℃以上の条件下ではピロガロールの一部が重縮合等により,2次的に消費されることを認めた。 1.4 反応におよぼす三フ ッ化ホウ素およびフェノールの影響<special>BF3</special>は3段反応に触媒として関与しており,各反応は等モル量以下の存在で進行する。しかし,本反応系での単一処理による多価フェノール生成には,フェノール化生成水および初めから反応系に含まれる水分量に留意し,<special>H20/BF3</special>(モル比)<1に設定することが必要である。フェノールはカチオンの受容体として作用し,複雑な重縮合反応の抑制に寄与するだけでなく,反応溶媒として重要な役割りを演じている。すなわち,フェノール添加量を減少させると,<special>BF3<special>の活動度が増大して核交換速度は高められるけれども,試料および生成物の反応系への溶解性が大きく低下するため,均一な反応進行が困難になり,更に生成物の酸化あるいは脱メチル化速度の低下も引き起こすことになる。従って,反応の際にある程度過剰量のフェノールを添加することは必須である。 1.5 種々のリグニン構成単位の挙働ω-(2-メトキシフェノキシ)アセトベラトロンおよびω-(2-メトキシフェノキシ)アポシノール-4-メチルエーテルから,処理温度40℃で,すでにベラトロール(核交換生成物)生成量を上回るグアイアコール(β-アリールエーテル結合の開裂成分)が生成することを認め,β-アリールエーテル結合はフェノール化および核交換と同条件下で,極めて速やかに開裂することが明らかとなった。両モデルにおけるフェノール化速度の差およびグアイアコール生成量の比較により,β-アリールエーテル結合の開裂は側鎖α位の官能基に影響され 実際にはα位フェノール化後,核交換およぴβ-アリールエーテル結合開裂が平行して進行することな確認した。 また,5-5型結合は安定であり,ビフェニル構造単位では隣接水酸基間の脱水によるフラン環形成が主反応であること,核交換反応はジフェニルメタン型構造(DPM)に限定されず,ジフェニルエタン型構造(DPE),ジフェニルプロパン型構造(DPP),更には側鎖飽和型フェルプロパン型機造(PP)においても可能であり,その速度(DPM>DPE>DPP≫PP)は開裂中間体カチオンの安定性に支配されることを明らかにした。 1.6 側鎖の不均化開裂 苛酷な温度条件下(例えば180℃)において,モデル化合物の反応液から核交換および脱メチル化による生成物以外に,新たに不均化生成物としてアルキルフェノール類(エチルフェノール,プロピルフェノール等)を検出した。しかし,アルキルグアイアコールあるいはアルキルカテコールは認められず,上記アルキルフェノール類は核交換生成物の不均化開裂に基づくことが示された。 以上の諸結果より,リグニンからの多価フェノール生成に関して本研究の意図する3段反応は,本反応糸においていずれも効率よく進行することが明らかとなった。また,核交換反応はジフェエルメタン型構造に限定されず,理論的に全ての側鎖―芳香核間結合で可能であるため,事実上はビフェニル単位以外の芳香核が全てモノマーとして遊離し得ることを結論した。しかし,苛酷な温度条件下では,シリンギル核に基づくピロガロールの2次的変質が生じ,またC-C結合の不均化開裂も起こるので,その芳香核取得を目的とする場合,処理温度等反応条件の設定には注意しなければならない。 2 三フッ化ホウ素・フェノール系におけるリグニンの反応針葉樹および広葉樹リグニン試料の化学構造とその分解生成物について,モデル実験の結果を基に検討し,更に副生する残渻リグニンの性状を追求することによって,水反応系におけるリグニンの分解機構を考究した。また,工業リグニン試料の適正分解条件についても検討を加えた。 2.1針葉樹リグニンの反応 生成グアイアコールは130℃で最大値を示し,それ以上の温度条件下ではグアイアコールの脱メチル化生成物であるカテコールが増加した。しかし,芳香核の遊離は130℃以上で極めて緩慢となり,芳香核総生成量はジフェニルメタン型構造を形成し得る非縮合型単位に相当する値で頭打ちとなった。このことから,リグニン中での核交換反応はジフェニルメタン型構造のみに限定されると結給した。 2.2 広築棉リグニソの反応 グアイアシル単位の分解挙動は針葉樹リグニンと同様であった。一方,シリソギル単位に基づく生成物は,80℃でピロガロール-1,3-ジメチルエーテルが最大値を示し,処理温度と共にこその脱メチル化生成物へと変化したが,最終生成物であるピロガロールは100℃以上の条件下で不安定であるため,ごく微量にしか認められず,生成物総量は130℃を最大値としてそれ以上の温度条件下では大幡に減少した。しかし,例えばブナ材ジオキサングニンにおいて,理論収集すなわちジフェニルメタン型構造を形成し得る非縮合型単位の量が約0.36/<special>C9</special>と概算されたのに対し,130℃での収量は0.27/<special>C9</special>であり,また分解条件を操作することによって,更に生成量を理論値に近づけることが可能であるため,フェノール型製造の原料として広葉樹リグニンは針葉樹リグニンに比べ遜色がないものと結論した。 2.3 残渻リグニンの性状モデル実験の結果に反し,リグニンにおける核交換反応がジフェニルメタン型構造のみに限定された原因を明確化するため,異なる処理温度条件下で副生する残渻リグニンの性状を検討した。処理温度が高い残渻リグニン程その色は濃色化し,特に130℃以上では光沢を有する黒色を示すと共に,種々のリグニン親溶媒に対する溶解性が極端に低下した。更に,アルカリ溶液中でのUVスペクトルにおいても明瞭な赤色移動ほ認められず,そのIRスペクトルは分子量が小さいにもかかわらず全体にブロード化した。また,△Eiおよび△Er曲線から共役カルポニル基の存在が示唆されたが,IRスペクトルの<special>1600~1700cm-1</special>には明瞭な吸収は認められなかった。一方, その可視部吸光度は1N水酸化ナトリウム溶液処理によりて大きく低下し,特に処理温度130℃以上の残渻リグニンでほ,肉眼でも明らかに黒色から赤茶色へと変化した。同様の淡色化は水酸基をTMS基でプロックすることによっても観察された。以上の結果から,分子内に形成されたジフェニルメタン型構造ほ,核交換後速やかに酸化きれ,安定なキノンメナド構造となり,更に隣接単位と強固こ水素結合することが明らかとなった。この構造変化によってリグニンフラグメントは非常に剛直となり,試薬の攻撃が阻害される結果, 核交換反応ほ最も反応速度の速いジフェニルメタン型構造のみに限定されるものと結論した。 2.4 工業リグニンの分解 化学パルプ製造の排液から単離したクラフトリグニンおよびリグニンスルホン酸は化学構造が異なっているにもかかわらず,類似した反応生を有しており,いずれも処理温度130~150℃でそれらの芳香核をモノマーとして約10%収量で取得し得ることを確認した。混在する非リグニン物質は<special>BF3</special>の触媒活性を低下させるが,核交換反応にはほとんど影響なく,また液比(分解試薬/リグニン,重量比)を低下させると,不均化反応が大幅に抑制された。残渻リグニンの性状を酸化分解処理によって検討した結果,結合フェノールの大部分はその水酸基のο-位あるいほρ-位でリグニン側鎖と結合し,一部その水酸基を介してエーテル結合していることが示唆されたと同時に,芳香核の取得に関して150℃以上の処理温度ほ不必要であること,また処理温度が高い残渻リグニン程多くのキノン構造を有することを確認した。従って,残渻リグニンの利用法は主にキノン構造形成の有無によって大別され,フェノール活性の商いリグニンは,分解試薬としての再使用あるいはフェノール樹脂などの製造におけるフェノール源として活用し,一方多くのキノン構造を含有する試料は,その酸化能を生かして種々の酸化剤あるいは酸化還元樹脂等に応用することが得策であると結論できる。ln order to obtain low molecular phenols from lignin as industrial raw materials, the reactions should be controlled so that the resulting products are simple in structure and few in number. However, few degradation reactions achieve this result at present time. For example, products by the rydrogenolysis, which is a typical degradation method of lignin aimed at obtaining low molecular phenols, form an extremely complex mixture, including phenol, substituted phenol, hydrogenated phenol, and others. Thus, now only a few chemicals are being produced from lignin in commercial volume. The chermical structure of lignin is omplex, due to the various types of linkages between phenylpropane units, whereas the structure of the phenyl nucleus in each unit is relatively simple. For example, softwood lignin can be regarded as a three dimensional polymer consisting of only guaiacyl nucleus. Therefore, if the phenol nucleus alone can be released and demethylated, catechol will be the only possible product from softwood lignin. This investigation is in connection with a novel degradation method of lignin allowing the C-C linkages between side chains and phenyl nuclei to cleave selectively and quantitatively. The important characteristic of this method is not to use oxidation or reduction reaction, the conventional methods for the degradation of lignin, but to take advantage of the peculiarity of diphenylmethane type structures, that is, the methylene linkages in diphenylmethane type structures are more easily cleavecl than other C-C linkages in the presence of Lewis acid. This method consists of the following three reaction steps, by which the phenyl nucleus of lignin gives polyhydric phenol (namely, catechol in softwood lignin) as end product ; the formation of diphenylmethane type structures by the phenolation of side chains to be followed by the exchange of the phenyl nuclei of lignin for phenol, and the dernethylation of methoxyl group. l. Reactions of lignin model compounds in the presence of phenol and boron trifluoride Phenol and boron trifluoride were selected as degradation reagents <special>(P-BF3 reagent)</special>. Various reaction processes in the formation of polyhydric phenols from lignin were investigated using lignin model compounds.l.l Phenolation of lignin side chain The sites in side chains reactable with phenol were alcoholic hydroxl group, carbonyl group, carboxyl group, double bond, and ether linkage. The reactions of these sites with phenol under boron trifluoride catalization proceeded in milder condition than that of hydrochloric acid. The phenolation of benzyl alcohol benzyl ether and conjugated double bond proceeded very rapidly. On the other hand, that of carbonyl or carboxyl group was influenced by the motecular conformation around the functional group. That is, the reaction rates (%) with phenol at 40℃ for 10 min were roughly as follows: Vanillin 100 ; ω-(2-Methoxy phenoxy) acetoveratrone, 50 ; Acetoguaiacone, 1. However all these modelcompounds reacted with phenol quantitatively under higher reaction temperatures. These facts indicated that alcoholic hydroxyl group reacts with phenol in preference to carbonyl or carboxyl group, in the phenolation of lignin. The increase of combined phenol by recluction of lignin was due to the change of phenolation rate by the conversion of carbonyl group to lcohotic hydroxyl group. The phenolation rates of vanillin and veratraldehyde, so as those of vanillyl alcohol and veratryl alcohol, were equal, indicating that the phenolation in lignin side chain is not influenced by phenolic hydroxyl group1.1.2 Nuclear exchange reaction between the phenyl nucleus of lignin and phenol The phenyl nuclei were liberated quantitatively unrler mild condition from structural units capable of forming diphenylmethane type struclures by phenolation, namely frorn those carrying benzyl alcohol, benzyl ether, conjugated double bond or α-carbonyl group in side chain. The liberation of phenyl nucleus was a second-order reaction. The reaction rate increased by the presence of group capable of stabilizing the intermediate carbonium ion in the liberation of phenyl nucleus, that is, methyl or phenyl group in the center carbon of diphenylmethane type structure. And the rate decreased by the absence of phenolic hydroxyl group or etherification of the group. The rate constants at 40℃ <special>(mol・ mol-1・ min-1)</special> were 70.6 x </special>10-2</special> for apocynol, <special>14.9 x 10-2</special> for vanillin, <special>1.9 x 10-2</special> for veratraldehyde, and <special>1.1 x l0-2</special> for vanitlly alcohol. The rate of nuclear exchange reaction in syringyl unit was slower than that in guaiacyl unit, because the coordination of boron trifluoride to phenolic hydroxyl group was hindered by methoxyl groups.ρ-Rosolic acid was isolated from the reaction mixture of vanillin with <special>P-BF3</special> reagent and 4,4'-dihy-droxydiphenylmethane and the phenol dimer containing quinonemethide were identified from that of vanilly lalcohol. These results supported such assumption that the phenyl nucleus of lignin is exchanged for phenol by <special>P-BF3</special> reagent, and also, revealed that a part of diphenylmethane type structures is oxidized to give stable quinonemethide. During reaction process, ρ-position to phenolic hydroxyl group in phenol reacted with lignin in large preference to ο-position. The phenol nuclei combined at ρ-position to phenolic hydroxyl group in diphenylmethane type structures were re-nuclear-exchanged more rapidly than those at ο-position.1.3 Demethylation of methoxyl group Guaiacyl nucleus was demethylated above 100℃ to give catechol quantitatively. Syringyl nucleus was demethylated successively to give pyrogallol. But a part of pyrogallol condensed secondarily above 100℃. <special>化学記号</special>The rates of <special>S1 and S2</special> were faster than the demethylation of methoxyl group in guaiacyl nucleus.1.4 Roles of boron trifluoride and phenol on three reaction stepsBoron trifluoride acted as a catalyst in each reaction step. Although each of the step proceeded effectively in the presence of boron trifluoride of which numbers (moles) were less than those of reactive sites, the reaction system had to be controlled so as to have the mole ratio of the water to boron trifluoride less than one because boron trifluoride was nactivated by tlre water included in <special>P-F3</special> reagent or formed during the reactions. Phenol played an important role as the solvating medium, as well as the acceptor of cation. With the decrease of phenol in the reaction system, the rate of nuclear exchange reaction increased, but the demethylation of methoxyl group decreased and the oxidation of products was promoted, because of the increasing activity of boron trifluoride, and further, the homogeneous reaction became difficult because of the decrease of solubility of reactants and products in the reaction system. Thus, excess phenol was needed to effectively achieve the three reaction steps. 1.5 Behaviors of various lignin building units ß-Aryl ether linkage was rapidly cleaved under mild condition. The cleavage of ß-aryl ether linkage was a second-order reaction, and was influenced by the phenolation at α-position of side chain. Namely, the rate determining step of the cleavage of ß-aryl ether linkage was the phenolation at α-position, after which the cleavage of ß-aryl ether linkage and the nuclear exchange reaction occurred simultaneously. The 5-5 linkage was very stable. Most of adjacent hydroxyl groups in biphenyl unit were dehydrated to form a furan ring. The nuclear exchange reaction occurred also in diphenylethane, diphnylpropane, and further, phenylpropane unit carrying no reactive site for phenol, as well as in the diphenylmethane type structure, and the rate became faster with increasing stability of intermediate carbonium ion ; dephenylmethane > diphenylethane > diphenylpropane > phenylpropane. Theses results indicated that all phenyl nuclei of lignin, besides biphenyl units, can be liberated theoretically as a monomer through the nuclear exchange reaction.1.6 Disproportionation of C-C linkages From reaction mixtures of model compounds with <special>P-BF3</special> reagent under drastic conditions (for example, at 180℃ ), alkylphenols (ethylphenol, propylphenol etc.), besides proclucts through nuclear exchange reaction and demethylation of methoxyl group, were detected. However, alkylguaiacol and alkylcatechol were not detected, indicating that the formation of alkylphenols was due to the isproportionation of products formed by nuclear exchange reaction. The comparison of formed alkylphenols with their originating chemical structures led to the following results on the disproportionation of C-C linkages : The longer the distance between phenyl nuclei, the more the linkage between the phenryl nucleus and the side chain was cleaved easily, in contrast to the nuclear exchange reaction. The linkage between the two center carbons of diphenylethane type structure was most easily cleaved among all C-C linkages. In one unit, more than two phenyl nuclei were not eliminated at the same time.2. Reactions of lignin in the presence of phenol and boron trifluoride The relation between chemical structures of softwood and hardwood lignins and products from those by the treatment with <special>P-BF3</special> reagent, and the properties of residual lignins were investigated. And the degradation mechanism of lignin by <special>P-BF3</special> reagent was discussed, based on those results. Also, degradation conditions for industrial lignins were studied.2.1 Reaction of softwood ligninThe main product below 100℃ was guaiacol, the yield of which increased with rising temperature up to 130 ℃, above which guaiacol was demethylated rapidly to give catechol. The sum of both products increased only slightly above 130 ℃, and its maximum was in fair agreement with the number of uncondensed units capable of forming diphenylmethane type structures, indicating that the nuclear exchange reaction in lignin occurred only in diphenyhmethane type structuies, in contrast to the suggestion by model experiments that all plenyl nuclei of lignin besides biphenyl units can be liberated as a monomer.2.2 Reaction of hardwood lignin The degradation behavior of guaiacyl units was similar to that of softwood lignin. On products from syringyl units, the yield of pyrogallol-1,3-dimethyl ether increased with rising temperature up to 80℃, above which the yield decreased rapidly, accompanied by the formation of pyrogallol-1-methyl ether and pyrogallol, because the demethylation of rnethoxyl group began. However, the yield of pyrogallol above 100℃ was slight because of its secondary condensation, and consequently, the sum of products decreased rapidly above 130 ℃, although it increased up to 130℃.2.3 Properties of residual lignins Through investigating the properties of residual lignins formed at different reaction temperatures, the reason was discussed why the nuclear exchange reaction in lignin occurred only in diphenylmethane type structures. The diphenylmethane type structures formed in lignin were oxidized rapidly to give mesomeric quinonemethides, which formed hydrogen bonds to adjacent hydroxyl groups of phenol nuclei. This change of structure resulted in the rigidity of lignin fragments, which prevented subsequent reactions such as the phenolation at ß-or y-position of side chain to be followed by the exchange of the phenyl nucleus of lignin for phenol.2.4 Degradation of industrial lignins The phenyl nuclei of KP and SP lignins were liberated as monomer in about 10 % yields, for which the reaction temperature in the range of 130 to 150℃ was needed. Non-lignin substances contained in industrial lignins slightly slowed down the demethylation rate of methoxyl group, but had little effect on the liberation of phenyl nuclei. The utilization of residual lignins was divided roughly into two fields :The derivative formed below 100 ℃, which is much phenolic, is better used as an additive to plastics such as phenol resin, on the other hand, one above 100℃, which contains a number of quinones, as an oxidizing agent or redox resin.
著者
山崎 忠久 Yamazaki Tadahisa
出版者
三重大學農學部附属演習林
雑誌
三重大学農学部演習林報告 (ISSN:05441005)
巻号頁・発行日
no.15, pp.p1-96, 1987-02
被引用文献数
3

本論文は林道設計の技術的な基準である林道規程に示されている線形要素について,林道の利用者の側からも評価・検討し,合理的な線形設計の基準を究明しようとするものであり,以下各車ごとに得られた結果の要点を取りまとめ総括する。 1.林道設計の技術的な基準である林道規程は昭和30年4月道路法にいう「道路構造令」に準じたものを想定し定められたが,交通情勢の変化や,林道(自動車道)が農山村地域の一般交通路としての役割を果たしていることから交通・輸送の一貫性を図るため,昭和48年4月に新しく設計速度の考えを取り入れた新規程が制定された。新規程は道路構造令に示されている第3種第5級の道路(計画交通量1日500台未満)の構造規格に準拠して定められたことにより旧規程に比べて自動車走行にとってプラスの構造規格となっている。その中で,砂利敷路面を原則とする林道の縦断勾配が舗装道路の数値を用いて算定された道路構造令の縦断勾配の規格値と同一になっている。砂利道のころがり抵抗係数μの値を0.03として道路構造令と同様の方法で縦断勾配制限値を算定すると,現行の7,8,9%が5,6,7%となり,より高規格な結果となる。2.一方,林道の急勾配部についての実態調査の結果,林道規程制限値をこえる勾配区間を有する林道が数多く存在し,これら急勾配の車両走行に対する影響は乗用車の類では比較的小さく,貸物自動車の場合,大であることが確認できた。それゆえ,砂利道における運材トラックの走行速度を考慮して,走行可能を最急勾配について主として走行性能の面から検討した。その結果,路面条件により同一の速度で登坂可能な勾配は異なり,また同じ条件でも車両の大きさにより異なること,下り勾配部についてほ,40km/時の速度で走行する場合を除き,かなりの勾配まで停止できること,さらに,路面の良好な林道においては12%の勾配部を積載量の小さい車両(4.5トン車以下)は20km/時の速度で,大型車両(5.25~6.5トン車)は15km/時の速度で走行できるが路面条件が悪化すると走行速度は低下することがわかり,輸送用としての色彩の濃い幹線林道においては,理論的には良好な路面を普通貨物自動車が15km/時~20km/時で走行する場合の最急勾配は12%程度,幹線以外の林地内作業路として利用される林道においては,もう少し限界を上げて17%程度としても良いことがわかった。 しかし,林道は安全に走行できることが第一の要件であり,危険感や不安感などが存在すると運転者の負抱が増大し,安全上の問題が考えられる。そこで,林道,自動車,運転者の三者を人間工学系としてとらえ,運転中の運転負担と林遺構造との関係を運転者の心身反応測定により求め,林道連行時の運転者にかかる生理的負担から林道の構造について検討した。その結果,時間に縛られた走行やより速いスピードを出しての走行あるいは他車に追従した走行方法などではなく,通常の走行方法により走行するかぎりは曲線半径や縦断勾配は運転者の生理的負抱に大きな影響を及ぼさないこと,運転作業中の運転者の心拍数増加率が20%以上となったのは測定数の17.5%で,大部分が平地歩行時の心拍数増加率28.33より低いことがわかった。これらは車両走行実験という環境における測定値であり,運転負抱プラス実験測走による余分な負担が加わっていることが考えられ,日常の走行時の運転負担はこれらの低よりいく分か小さい値となることが予想される。 したがって,運転者の負担度の点からも輸送路としての色彩の濃い幹線林道においては良好な路面を維持できる場合の最急勾配は12%程度,幹線以外の林道においては限界を上げて17%程度としても問題はないと言える。 3.縦断勾配とともに林道の線形設計の重要な要素である曲線半径は林道規程第15条に最小値が定められているが規程値より小さい曲線半径を有する林道も存在する。林道屈曲部における曲線半径の大きさは車両が安全に走行できる値であることが必要である。曲線半径は大きいほど,車両の走行にとって好都合であるが,地形の制約をうけて常時大きな曲線半径を適用することは不可能である。そこで,搬出材長,設計車両の大きさといった物理的形状と運転者に対する乗心地の良さから,林道屈曲部における曲線半径を算定し,最小曲線半径の大きさについて検討した。その結果,通常の短材を搬出する場合は材長,幅員,曲線半径の関係を問題とする必要はないが,全幹材や農相を搬出する場合は所要の半径に満たない曲線部では幅員外へ材がはみ出し,とくに両カッティングの箇所や谷回りの曲線部では搬出材の先端が法面に接触する場合も起こり得ることがわかった。また,乗心地の点からは大きい曲線半径が望ましく,現行規程値を適用した曲線部では直線部走行時と同じ速度で走行することは無埋であり,必ず曲線手前で制動し,速度を低下させて曲線部を通過する必要がある。 運転者の生理的負担の点からは,砂利敷林適において通常の走行方法により走行するかぎりは曲線半径は運転者に大きな影響を及ぼさない結果となったが,曲線半径の大きさと生理的負担の間には曲線半径の増大に伴って運転者の生埋的負担は小さくなることが推測される。 したがって,林道設計に際してはできるだけ大きな半径の曲線が設置されることが望ましいが,地形の関係上,どうしても小さい半径の曲線を設置せざるを得ない箇所では,現行規定値の20~30mの曲線半径の曲線を設置するかぎりは全幹材の搬出作業が実施されても幅員外への材のはみ出しも比較的少なく,通常の走行方法により走行するかぎりは運転者の乗心地 生理的負担度の点からも問題はない。しかし,8m,12mといった小さい曲線半径が設置される箇所では長材の搬出 走行速度,乗心地といった点で支障がでるものと判断される。 4.林道の路面は,砂利敷路面を原則としているが,砂利敷林道における運材トラックの走行速度と登坂勾配は路面条件の違いにより,異なった値となることから,林道勾配部を舗装することにより,どの程度の速度が確保でき,どれほどのスピードアップが期待できるかを検討した。その結果,一般的には舗装路における速度は砂利道における速度に比べて大きいこと,上り援勾配部における貨物車類は急勾配に比べて速度差が大きく,緩勾配部の速度比(舗装路速度/砂利道速度)は貨物車(4.5~6.5トン車)の場合,およそ2かそれ以上となること,下り勾配部については,上り勾配部と同様に舗装路における速度は砂利道における速度に比べて大きく,とくに荷を積んだ大型貸物車の速度差が大きいこと,下降勾配の増大に伴う速度低下の割合は舗装路に比べて砂利道のほうが大きく,勾配が急になるほど舗装路速度と砂利道速度の速度比は大きくなり,大型車両の積車の場合の速度比は約2~3となることが予想される。 また,運転者の生埋的負担の点からは,走行時の路面状態の違い,すなわち,砂利道と舗装路,空車走行と実車走行,上り勾配走行と下り勾配走行といった走行条件の違いが運転者の生理的負担に影響を持ち,舗装路走行時の心拍数増加率が砂利道走行時に比べて大きい結果となったが,それらの差は大きいものではなく,車両振動の減少,走行速度の増加の点で運転者にとって林道の路面舗装は有効であることが明らかとなった。 したがって,普通自動車を設計車両とする1級・2級の林道においては,林道の路面状態が車両走行に大きな影響を持ち,林道が一般道路と接続され地域路網を形成しているところからも,交通・輸送の一貫性を図るため交通量の多い,利用頻度の高い林道については,今後,登坂力の確保のみならず輸送効率向上の点からも林道の舗装は積極的に取り入れられるペきものであることがわかった。 以上が本論文で明らかにした主要事項の概要であるが,要するに林道設計に際してはできるだけ緩やかな縦断勾配,大きな曲線半径の適用が望ましいが,車両の運転者,車両の性能の面からみて,輸送路としての色彩の濃い幹線林道においては良好な路面を維持できる場合の最急勾配は12%程度,幹線以外の林道においては17%程度まで規格の枠を拡げても問題はない。また,最小曲線半径は現行規程の20~30mの値を適用するかぎりは問題が少ないが, 8m,12mといった小さい半径が設置される場合は走行速度,乗心地といった点での支障を覚悟しておかねばなら憩い。また,上記の線形要素とは別に,路面舗装を導入することにより,より安全で輸送能力の高い林道へと機能向上をはかることが可能となる。Forest roads are built with a structure based on forest road standards. Forest road standards consist of specifications that deal with the physical properties of the road such as width of carriageway, maximum gradient, minimum radius of curvature, and the like. The geometrical design factors, such as longitudinal gradient and road alignment, have an effect orr the cost of road construction. The purpose of this study is to propose a rational basis for forest road design. The radius of curvature and the longitudinal gradient which were shown in the forest road standard used as the technical basis in forest road design, were examined from the standpoint of the physiological loading of the driver. This thesis is composed of six chapters : namely, I. Introduction, Ⅱ. Specifications of geometrical structure of forest roads, Ⅲ. The longitudinal gradient of forest roads, IV. The radius of curvature of forest roads, V. The pavement of forest roads surface, and Ⅵ. Conclusion. The results obtained in this study are summarized as follows :1. At first the forest road standard was set in 1955. In 1973 it was renewed by a general idea of design road speed so as to secure a consistency of traffic and transport. As the new forest road standard was decided to conform with a municipal road standard, drivers can drive on forest roads more easily than on the roads built with the old forest road standard. But, though the forest road is a gravel road, as a rule, the value of longitudinal gradient is the same value that was calculated with a coefficient of rolling resistance on pavecl road. If we calculate a longitudinal gradient with the coefficient of rolling resistance on gravel road we get a lower value(5, 6, 7% )than the value of the standing rule.2. As for the results of an investigation into actual conditions of steep grade sections of forest roads, a large number of steep grade sections which exceed the limit of forest road standards do exist. Theso steep sections decrease running speed of motor trucks. Hence, thc climbable maximum gradient with due regard to the driving speed of log trucks on gravel forest roads was examined mainly by using the running ability of trucks. As a result of the investigation, the maximum gradient of the primary forest road, with fine road surface, mainly used as a tranportation route for rnotor trucks traveling at a speed of 15?20kilometers an hour, is about a 12%grade. It is possible to increase the value of maximum gradient of the for:est road utilized for spur roads to about 17%grade. But it is necessary that motorists can drive safely on the forest road. If the driver feels danger or some misgivings, his physiological loading will become greater. A question about safety will occur. Therefore, the man-machine system with the forest road, vehicle and driver was considered. And thegeometrical design factor was investigated from the physiological loading of the driver. The maximum longitudinal gradient and the minimum radius of curvature in this study were designed at 20% and 7m respectively. And the heart rate of drivers in normal driving was measured as a physiological indicator by using an electrocardiogram. The driven speed and the vibration acceleration were meusured on the driving vehicle, too. These datum were analyzed by using the quantification method. The heart rate of drivers was not significantly influenced by various values of the radius of curvature and longitudinal gradient of forest roads. So, from a viewpoint of physiological loading of the driver, the maximum gradient is thought to be up to 17%. That was found to be a possible maximurn gradient for the running ability of motor trucks, too.3. Both the radius of curvature and the longitudinal gradient are important design factors of forest roads. The minimum radius of curvature that exceeds the limit of forest road standards is in existence. But it is necessary that motorists can drive safely at curve sections on forest roads. The large radius of curvature is suitable for operation of vehicles but it can not be set at all times in mountainous regions. So, the minirum radius of curvature was examined from a physical size of hauling logs and driving comfort. It was found that the radius of curvature with unsatisfactory size for hauling of tree length logs and long timber caused a problem. From the standpoint of driving comfort, it is desirable that a large radius of curvature should be set. At a curved section built with the standing rule, it is impossible for a vehicle to operate at the same speecl as on a straight section of forest road. Therefore it is necessary to decrease speed for the curve. In the case of normal driving on forest road, it can be stated that geometrical design factors have no effect on the plysiological loading of the driver. But it is supposed that the physiological loading decreses as the radius of curvature increses. Therefore, it is desireable to set a large radius of curvature in forest road designs. In places where a small radius of curvature must be laid out as influencecl by topography, when the radius of 20 ~ 30 meters showed in the standing rule is set, most of the tree length logs are transported without protrusion from road width. And in the case of normal driving, it can be stated that there are no problems from a viewpoint of the physiological loading and driving comfort. But in the small curve section such as 8meter or 12meter radius, there is a problem in respect to hauling tree length logs, the operating speed of the motor vehicle, and driving comfort.4. In principle, the forest road is a gravel road. But the operating speed and the climbable gradient of logging trucks on gravel roads vary with the condition of the road surface. From a standpoint of transportation efficiency on forest roads, the speed difference between driving on gravel roads and driving on asphalt paved roads was examined with the theoretical value from the automobile performance diagram and the results from a survey of the operating speed. In general, the operating speed of motor vehicles on paved roads is higher than on gravel roads. That difference in the running speed of motor trucks on up-grade section is greater at the gentle grade section than at the steep grade section, and it is expected that the running speed ratio(the speed on paved roads / the speed on gravel roads ) of motor trucks ( 4.5ton ~ 6.5ton) at the gentle grade section will be about 2 or more. On down-grade sections, the decreasing rate of running speed with the increase of favourable gradient is greater on gravel roads than on paved roads, and the steeper the gradient becomes, the greater the running speed ratio increnses. Also, it is expected that the operating speed ratio of a laden large-sized vehicle will be about 2 or 3.Mtoreover, from a standpoint of physiological loading of the driver, the difference in quality of road surface, namely, gravel road and paved road, the difference between laden and unladen trucks and the difference between adverse grade and favourable grade have an influence on the physiologioal loading of the driver, and the increased heart rate of the driver on paved roads is higher than on gravel roads. But, there is little difference between them. It became clear that the paved forest road surface was better for the driver in that there was a decrease of vibration and an increase of vehicle speed. Therefore, on the first and second class forest roads on which an ordinary motor vchicle is to operate, it is reccomended that the forest road with high density of traffic and high frequency in use should be paved with asphalt to guarantee high transportation efficiency as well as gradability in the future.