著者
若尾 良徳 天野 陽一
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 人文系編 (ISSN:09160027)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.A79-A85, 2008-03
被引用文献数
1

本研究は、20歳時点での恋愛経験人数についての意識に注目した。まず、20歳における平均的な恋愛経験の程度を、調査対象集団における現実の平均より過大に推測している可能性を検討した。また、20歳における理想的な恋愛経験の程度を調べた。さらに、若者一般における理想の恋愛経験の程度を推測してもらい、現実と推測の間にずれが見られるかを検討した。大学生157名(男性73名、女性82名、無回答2名)を対象に、恋愛経験人数についての意識について質問紙調査を行った。 20歳時点での恋愛経験人数の平均については、男女どちらに対しても調査対象集団における現実の平均よりも過大に推測されていた。理想人数については、男女どちらに対してもおよそ3分の2の回答者が2人または3人と回答しており、9割が複数と回答していた。さらに、若者一般の理想人数について、自分の理想より高く推測していた。このような年齢意識が若者に及ぼす影響について議論した。
著者
若尾 良徳
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 人文系編 (ISSN:09160027)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.71-82, 2006-03-31
被引用文献数
1

This study investigated whether junior college female students overly estimate the rates of those who have sexual experiences among university, high school and junior high school students, and whether these estimations differ with the frequency of the exposure to mass media and with their own sexual experiences. Thirty-six junior college female students replied to the questionnaires. The results show that respondents estimated the rates of those who have sexual experiences higher than the actual rates in all grades for both men and women. The more they read magazines and watch television, the higher they estimated that rates of university students. Those who have sexual experiences estimated that rates of high school and university students higher than those who do not have. The influences of this overestimation to young people were discussed.
著者
藤丸 麻紀
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 人文系編 (ISSN:09160027)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.85-99, 2005-03-31

現在歯止めがかからない少子化の進行に対し、従来以上に包括的な政策として平成14年に発表された「少子化対策プラスワン」の内容を検討すると、大きく分けて、仕事と子育てとの両立支援(政策Aとする)、子育て費用軽減サービス(政策B)、出生力増加の基盤づくり(政策C)の3つの分野から成っている。また、少子化の要因を示す統計からは、仕事と子育てとの両立が難しい中で育児費用負担が大きいという「経済的要因」と、晩婚化・晩産化のために出生力が低下しているという「高齢要因」が大きなネックとなっていることが分かる。そこで本稿では、今後の少子化対策としては、政策Aの公的保育サービス(保育料金の公的負担)と、政策Cの供給サイドの少子化対策が重要であると考え、理論モデルを用いて政策の効果の分析を行なった。その結果、政策Aについては「保育サービスの拡充と費用補助」を行い、育児と仕事の両立という選択肢が妨げられないような支援を行なうこと、および政策Cについては「出生力増加のための不妊治療の負担補助」などの対策が必要であると言える。今後は、本稿のモデルや仮説に合わせた実証分析を充実させ、各政策の効果の測定を行なう予定である。