- 雑誌
- 旭川厚生病院医誌 (ISSN:09178066)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.1, pp.3-9, 2005-06
出版社版平成16年に経験した倦怠感や頭痛,腹痛により不登校となった8例の成長曲線を記録し,どの段階で身長・体重増加率に変化が生じるかを検討した.心の健康問題が明らかにあった6例のうち,5例では身体症状が出現する前から体重増加率の減少があり,表向きの理由の背景には学業不振や両親の不和などが潜んでいた.しかし,6例とも身長増加率の低下はなかった.心の健康問題が明らかではない2例では,身体症状が出現する以前の成長曲線に問題はなかった.不登校児に対しても,成長曲線に変化が出現した時期を示して病歴の聴取やカウンセリングを行うことは隠されたライフイベントを探ることに有用であると考えられた