著者
安東 三喜 前田 昭子 松井 元子 永野 君子
出版者
帝塚山大学
雑誌
帝塚山短期大学紀要. 人文・社会科学編・自然科学編 (ISSN:1344915X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.197_a-191_a, 1994-03-01
被引用文献数
1

給食管理実習の献立に喫食者の嗜好, 盛り付け量, 調味, 外観, 質などの要因がどのようにかかわっているのか, 主食に焦点を当て, 要因分析を試み, 主食量はBMI別に差が見られると仮説をたてて調査分析を行なった。対象は本学栄養士コース1年, 2年生で1993年4月∿7月に実施し次の結果を得た。1)白飯6種, 変り飯8種の平均盛り付け量は264gで, チキンカレー416gが最も多く, 親子丼, ハヤシライスの順であった。2)盛り付け量の小さいのはA-2の白飯200gであった。3)変わり飯の喫食率は高く, チキンカレーは100%に近い喫食率であった。4)主食と献立への総合評価は, 分量が「やや多い」, 外観(料理のできばえ)が「ややよい, 普通」であった。5)調味・塩味では主食は「ちょうどよい, ややうすい」と評価しているが, 献立全体では「やや濃い」と評価している。6)外観(料理のできばえ)は, ちらしすしが「よい」評価であった。7)主食量とBMIは, BMIが大きくなると平行して盛り付け量もやや多くなることが知られた。
著者
深見 良子 山崎 緑
出版者
帝塚山大学
雑誌
帝塚山短期大学紀要. 人文・社会科学編・自然科学編 (ISSN:1344915X)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.210_a-197_a, 1996-03-01
被引用文献数
2

本学短大生の肥満の頻度をBMIと体脂肪率から調べ, 1の結果を得た。痩せ願望をもつ女子のダイエット法は, ダイエット本来の主旨である蓄積した脂肪を重点的に減らして, 健康体をつくるという目的に沿っていないものが多い。そこで, ダイエットの実態および食生活と体調に関する調査を行い2∿10の結果を得た。1. (a) BMIによる肥満の判定 本学学生のBMI(体格指数)の平均値は20.2であり, 内訳は痩せ傾向群(BMI≦19.9)は43.8%, 正常群(20.0≦BMI≦22.9)が45.3%, 肥満傾向群(BMI≧23.0)は10.8%の比率であった。(b) 体脂肪率による肥満の判定 同女子学生の体脂肪率の平均値は23.3で, 内訳は痩せ傾向群(20%未満)が15.1%, 正常群(20%∿25%未満)は53.2%, 肥満傾向群(25%以上)が31.7%であり全体の1/3が肥満傾向群に属する結果となった。また体脂肪率ではBMIによる判定よりも約3倍の人が肥満傾向にあると判定された。体脂肪率25%以上の人がBMI痩せ傾向群に16.0%, 正常群に39.7%, 肥満傾向群に60.0%みいだされた。即ち, 体型から見てスリムであり肥満でない者のなかにも体脂肪率が25%以上の脂肪体質の学生が多いことが判った。(c) 学生が理想とする体重 学生が望んでいる体重は現在の自分の体重を下回り, 肥満傾向群では100%体重減少を望み, 正常群で98.8%, 痩せ傾向群でさえ51.9%の人が体重減少を望んでいる。2. ダイエット経験者は全体の59.6%もおり, 開始年齢は, 15歳が18%, 16歳が24.6%, 次いで17歳, 18歳がそれぞれ19.8%で主として中学3年生, 高校生・短大1年生時代に行っている。体重が減って成功したと答えた者はダイエット経験者全体の38%で, 体調に異常を感じないで体重が減少した者は全体の24.6%であった。3. ダイエットの方法としては食事, 運動, 薬の服用やこれらの併用もある。特定食品やダイエット食品を用いる方法には雑誌などで報道され話題になったものもある。成功したと答えたひとの方法としては運動と食事を併用したものが48%に達し, 最も高かった。4. ダイエット期間は1週間から1ケ月が30%で最も多く, 実施期間の回数は1∿5回が38%で最も多く, 繰り返し実行している場合のあることがわかる。5. ダイエットによって体に生じる異常は, 疲れやすい21.6%, 便秘12.0%, 生理停止9.4%, 貧血7.2%, 吹き出物がでる6.6%, 味覚障害6.1%, 精神不安定4.9%が主なものである。ダイエット後の体重リバウンドは14%もあった。6. ダイエットによって生じた良好な結果は, 体重の減少36%, 体部のサイズ減少11%, 味覚が敏感になった8%などである。7. ダイエットが失敗した理由としては, 持続性に乏しい, 体の不調, 精神的不安定, 反動としての食欲の増加などが挙げられる。8. 学生の体験より考えついた理想的なダイエット法は次のようなものがある。短期間に大きな体重減少を望まないこと, バランスよく食べながら体重を減らすこと, 長続きする方法であること, ダイエット中健康を損なわない事, できるだけ運動量を増やすことなどである。9. 日常の食生活を省みて, 食べ過ぎていると思う食品を問うたところ, 菓子類42.8%, 油もの33.6%, 嗜好飲料23.6%, パン類22.1%, 肉類20.3%などは摂り過ぎていると考えており, もう少し摂った方がよいと思う食品, および殆ど摂れていない食品にはいずれも上位に緑黄色野菜, 大豆類, 海藻, の食品群を挙げており, もう少し摂った方がよい食品には乳製品26.1%を挙げ, 殆ど摂れていない食品には魚介類11.4%があり近年の若者の食生活の偏りが示されている。学生の1日の食品摂取品目数は平均20.2品目で30品目にはほど遠い。朝食の欠食状況は, 1週間のうち1∿3欠食のある人は22.3%で, そのうち全く摂らない人は6.4%であった。朝食の内容は主食と副食を摂っている人は40.6%でその他はバランスのとれていない不備なものであった。10. 学生の体調, 便秘の有無, 生理の状態, アレルギーの有無, 歯の健康状態などについても調査し, 食生活の内容と合わせて考察した。