著者
敦澤 貴啓 寺下 貴美 敦澤 貴啓 寺下 貴美 敦澤 貴啓 寺下 貴美
出版者
日本航空医療学会
雑誌
日本航空医療学会雑誌 (ISSN:1346129X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-13, 2014

ドクターヘリは救急現場での迅速な初期治療と搬送時間の短縮が利点である。北海道では現在、3機が配備されている。ドクターヘリは高額な運用費を必要とし、効果的に導入を検討しなければならない。そこで北海道における最適なドクターヘリ配備数を検討するため、救急搬送のシミュレーションを行い、ドクターヘリを追加導入した場合の搬送時間の変化を比較した。搬送経路は消防署から救急現場、救急現場から一次救急病院を経て二次救急病院までとした。ドクターヘリ搬送はランデブーポイントへ移動し、そこから基地病院への搬送とした。地理情報システムを用いて、仮想の傷病者を地図に配置し、搬送時間を計算した。ドクターヘリの増加と共にヘリ搬送者数は増加し、搬送時間の短縮効果が認められたが、1搬送当たりの時間短縮効果は6機目以降、ほぼ一定になった。本研究では北海道において少なくとも6機のドクターヘリが最適であると考えられた。
著者
永田 正文
出版者
一般社団法人 日本航空医療学会
雑誌
日本航空医療学会雑誌 (ISSN:1346129X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.27-33, 2023-08-25 (Released:2023-09-25)
参考文献数
1

【背景】基地病院の屋上ヘリポートでドクターヘリが機体不具合により離陸できなくなり、ヘリポートが使用できなくなった場合を想定し、事前に連絡体制の確認や病院、行政、運送事業者等との調整を行う必要を認識した。【目的】事前に病院関係者、島根県健康福祉部医療政策課(以下医療政策課)及びクレーン事業者と調整することにより、連絡網及び作業スケジュール概要を作成し、事案が発生した場合に円滑に対応できることを目的とした。【通常運航時の判断】通常運航時には、屋上ヘリポートで修復可能な軽微な不具合から離陸が不可能となるような大きな不具合がある。【ドクターヘリ屋上ヘリポートからの吊り上げ初動対処】不具合発生時に円滑に初動対処ができるようにフローチャートを作成し、手順や処理方法の流れを作った。【屋上ヘリポートでの不具合発生時の連絡網の作成】各種調整が迅速かつ的確に実施できるように、主要連絡先のフローチャートを作成し、連絡要領の流れを作った。【屋上ヘリポートからクレーンで吊り上げるスケジュール作成】作業項目と、予想される日数が容易に把握できるように一覧表を作成し、作業概要を把握できるようにした。【検討事項】屋上から機体吊り上げ作業において想定される課題を洗い出し、円滑に作業を進めることができるように検討事項を列記した。【各部署の意見】関係する島根県立中央病院及びクレーン会社の抱く懸念事項を事前に把握することにより、迅速な作業計画の手助けとした。【結語】事案発生時の初動対応、連絡先を調査し関係部署と共有するなどの必要事項を事前に把握し、もしも事案が発生した場合に円滑に対応できることを主眼として取りまとめた。