著者
千々石 知子 納富 恵子
出版者
福岡教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践研究 = Bulletin of Research Center for Teaching Practice (ISSN:13480774)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.247-254, 2012-03

本研究では,第1研究として,ユニバーサルデザイン授業を効率的に行うために,これまでの授業実践を振り返り,授業の準備段階も含めた授業実施手続きを明らかにした。The Center for Applied Special Tchnologyが提案するUniversal Design for Learningのガイドラインに基づいて,第一著者の行った授業を分析し,提示,行動と表出,取り組みの3つの領域全てにおいて工夫していることが分かった。第2研究では,このガイドラインに基づいて実践した算数科学習指導が,特別な教育的支援を必要とする対象児及び学級全体の児童の学業達成,算数科への態度,学習的適応に効果があるかを対照群と比較した。その結果,対象児に学業達成率は学級平均以上の伸びを示した。また,学級全体の児童にとっては,特に算数科への取組意欲と評価判断において有効であることが示された。