- 著者
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田中 由紀子
- 出版者
- 京都女子大学・京都女子大学短期大学部
- 雑誌
- 京都女子大学生活福祉学科紀要 (ISSN:13495984)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, pp.51-55, 2005-01-10
本稿の目的は,現在の訪問介護(ホームヘルプサービス)施策における「生活援助」のサービス提供内容を明らかにし,今後のあり方について示唆を得ることにある。ホームヘルプサービスの援助内容は援助対象を異にしてはいたが,1956年長野県上田市で開始以来,「家事援助」「身体介護」「相談助言」の3区分のいずれかを担ってきた。 2000年の介護保険制度の創設,サービスの開始に至って介護支援専門員(ケアマネージャー)が,訪問介議員の提供する介護サービスについて「相談助言」を行い,アプランを作成することになり,訪問介護の内容は「家事型」「介護型」と両方が混在した「複合型」の3区分で進められるようになった。 2003年の介護報酬の見直しにあたり訪問介護の適正なアセスメントを図る観点から,「複合型」を廃止,「家事援助」は,自立支援,在宅生活支援の観点から「生活援助」に名称を改めることになった。介護保険制度は個人を対象としており,サービスは時間と内容により細分化され報酬は単位化されている。「家事援助」も調理,掃除,洗濯等行為を算定基準としている。本稿では生活の主体者の基本的欲求を充足し生活を活性化する自立支援の実現を図るための「生活援助」のあり方について考察する。