著者
末木 新 SUEKI Hajime
出版者
日本自殺予防学会
雑誌
自殺予防と危機介入 (ISSN:18836046)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.94-101, 2019-09

本研究の目的は、自殺念慮尺度の短縮版を作成し、その信頼性・妥当性を検証することである。自殺方法に関する表現を含む項目を除外し、安全な測定を実現することも尺度短縮の目的である。自殺の研究者および自殺予防に従事する臨床家が13 項目版の自殺念慮尺度の項目内容を検討し、内容的妥当性を確保した上で短縮版に含める項目を選定した。その結果、6 項目を短縮版に含めることが適当だと判断された。次に、選定した6 項目版の自殺念慮尺度の信頼性および妥当性を検討するため、二波のパネル調査を実施した(N=2,486)。その結果、短縮版自殺念慮尺度は、高い内的一貫性(Cronbach's α=0.89)、4 週間後の得点との再検査信頼性(Spearman's ρ=0.84, P<0.001)、構造的妥当性、十分な構成概念妥当性を有していることが示唆された。