著者
佐藤 保則 近藤 稔和 大島 徹
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学十全医学会雑誌 (ISSN:227226)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.530-537, 1996-08-01
被引用文献数
2

自殺者総数は1,374例(男841例,女533例)であり,年次別にみると177~221例の間を推移しており,年間平均は196例であった.季節では春と秋に多発する傾向がみられ,曜日別では月曜に最も多く土・日曜には少なかった.又,自殺の最も多い年齢層は男女とも50歳代であり,60歳代迄の全年齢層で男の自殺者数が女を上回っていたが,70歳代以降では女の方が多かった.自殺手段は男女とも縊頸が過半数(男59.9%,女54.0%)を占め,次いで男ではガス(10.9%),女では入水(21.0%)が多かった.自殺の場所は屋内,特に自宅屋内が多く,発見者の多くは自殺者の同居家族であり,自殺者の58.2%は無職者であった.自殺の動機は病苦,精神疾患の順に多く,最近の不況を反映して経済的理由が漸増する傾向がみられた.又,10.2%の自殺者が過去に自殺企図歴を有していた
著者
白崎 文朗
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学十全医学会雑誌 (ISSN:227226)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.222-229, 1996-04-01
参考文献数
32

G1/S期境界部に同調させたHeLa細胞に対してPUVA0.4J/cm2,1回処置を行い,FCMによる細胞動態学的観察と同時にサイクリンA, B mRNAの発現量を経時的に観察した. 1)UVA照射群では大部分の細胞がG2+M期に存在する時にほぼ一致して,サイクリンA, B mRNAの発現量のピークが認められ,細胞がG1期に入ると共に減少した. 2)無処置群,8MOP添加群では,UVA照射群とほぼ同様の成績が得られた. 3)PUVA処置群では27時間後にはG2+M期細胞の割合が60%を超え,その後96時間後迄は大部分の細胞がG2+M期にあった. 4)PUVA処置群のG2+M期に蓄積していた細胞の大部分は,G2期細胞であった. 5)PUVA処置群では観察された時間内に,サイクリンA, B mRNAの発現量の増加はなかった.PUAVにより生じた細胞のG2蓄積には,サイクリンA, B mRNAの発現抑制が関与している