著者
柳内 桃代 茅野 理恵
出版者
信州大学大学院総合人文社会科学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要 (ISSN:2436326X)
巻号頁・発行日
no.20, pp.179-190, 2021-06-01

本研究ではネガティブ情動への着目の必要性を示すため,開示抵抗感における対他的要因及び対自的要因の強さによる援助要請行動の特徴を明らかにしたうえで,ネガティブ情動への評価が開示抵抗感に及ぼす影響を検討した。その結果,開示抵抗感において対他的要因が高い場合,関係性に影響を与えにくい,且つ状況を説明しやすい相手を選択する傾向が見られた。更にネガティブ情動を抱く自分への嫌悪感が高い場合,相手からの否定的な印象を予期し,ネガティブ情動の開示を悪いことと捉える可能性が示唆された。