著者
清水 千弘
出版者
Institute of Economic Research, Hitotsubashi University
巻号頁・発行日
2017-01-06

空き家対策における空き家調査,空き家バンクの運用は極めて重要な施策であるが,依然として確立した調査方法や運用方法が確立されていない状況にある。一般に,経済統計を作成していくうえでは,その作成のためのガイドラインを作成されたうえで,統計調査が実施される。本稿は,空き家調査をどのような情報源を用いて,どのように実施していくのか,そのためには,どのようなフィルターで定義をしていくのかを整理することを第一の目的とした。さらに,このように調査された空き家をどのように対応していくのかといったことは,運用面における動態的な視点が求められる。そこで,調査・分類された空き家を継続的にどのように捕捉し,どのような政策的な対応が求められるのかを,官民連携の可能性と併せて整理することを第二の目的とした。空き家対策においては,行政だけでの対応が困難なステージへと発展してきていることから,民間との協業が不可欠である。ただし,そのような協業の形は,地域ごとに直面している状況が多様であることから,これといった処方箋があるわけではない。そこで,現在における課題整理を行い,どのような政策転換が必要かということを私案として政策提言としてまとめた。 基盤研究(S) = Grants-in-Aid for Scientific Research (S)

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