著者
富田 弘美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 67回大会(2015年)
巻号頁・発行日
pp.50, 2015 (Released:2015-07-15)

目的 高校生が体育時に着用する体操着は長い間改良がみられず、大まかなサイズ展開で好みのディテールやシルエットを選ぶことができない。そこで、袖・上着・パンツ・衿・裾などのディテールやシルエットに特徴をもつ体操着の写真を提示し、各体操着から抱くイメージのアンケート調査を行う。また、その結果を基にして新しいデザインを提案する。 。方法 対象者は東京都、神奈川県の公立、私立の女子高校生各100 名である。調査内容は体操着の写真4種類(A:上着は全開、ボトムがストレート、リブ無し、B:上着は全開、ボトムリブ付、C:上着は全開、ボトムの裾がフレア、リブ無し、D:上着は途中開き、ボトムリブ付き)について、イメージ項目として15項目の形容語対(好き-嫌い、個性的な-平凡な、かっこいい-ダサい、着脱しやすい-着脱しにくいなど)を1~5段階尺度で回答する。さらに、体操着をデザインして実物を製作する。 結果 イメージのプロフィールでは、ボトムの裾がフレアのCは個性的な、ラフな、女性的な、着脱しやすい、スタイリッシュな、かっこいいなどの項目がプラスのイメージをもち、次いで裾がストレートのAがプラスイメージであった。一方、リブ付きのBとDは、嫌い、ダサい、弱そうな、デザインが悪いなどの項目からマイナスイメージをもっていた。因子分析の結果では、4個の因子が累積寄与率66.2%で抽出され、第1因子は「悪い印象」、次いで「良い印象」、「センス」、「好み」と因子名をつけた。新しい体操着としては、「女子力UPジャージ」「学校帰りに着て帰れる体操着」など5つのデザインを提案した。