著者
小菅 啓子 井上 和子 富田 弘美 杉山 真理 小林 茂雄
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.640-651, 1993-12-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
10

下着と上着の着用意識の関係, 並びに, 下着・上着の着用意識と社会心理的特性との関係を検討することを目的とし, 学生・OL・母親を対象に質問紙法により調査を行った.主な結果は次の通りである.(1) 下着・上着の着用意識について, それぞれ, 因子分析を行い各々8因子を抽出した.下着の因子は, コーディネイト志向, デザイン性, 規範意識, 機能性, 習慣性, 趣味嗜好性, 経済性, 着用感である.上着の因子は, ファッション志向, 多様嗜好, 心理安定感, 自己顕示, 個性化, 経済性, 外観性, 素材意識である.(2) 抽出された下着及び上着の着用意識の各因子間の相関を, 正準相関分析により解析した.下着の経済性の因子は, 上着の経済性, 多様嗜好性の因子との間に関連があり, 更に下着のコーディネイト志向の因子は, 上着の自己顕示, ファッション志向, 心理安定感, 素材意識との間に関連がある.(3) 下着・上着の着用意識と社会心理的特性の関係は, 双方の着用意識について, 自己顕示欲と好奇心との間に相関の有意性が認められた.(4) 被験者群の違いは, 下着の着用意識において, 母親は実用性, 学生は経済性を重視する傾向にあり, 上着の着用意識においては, 学生・OLは服装によって心理安定感を得, 母親は経済性や素材意識などの機能面を重視していることが認められた.更に, 社会心理的特性については, 学生は同調と情報欲求, OLは自己顕示欲, 母親は同調の各特性と, 下着の着用意識との間に相関の有意性が多く認められた.
著者
富田 弘美 中川 隆子 小菅 啓子 小林 茂雄
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 = Journal of the Japan Reseach Association for textile end-uses (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.54-63, 1998-12-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

社会人男性の生活場面における服装意識と生活意識の特徴及び関連性について20代と40~50代を対象に質問紙法により調査を行った.主な結果は次の通りである.<BR>(1) 服装意識について20代は職場では個性を重視した服装, 余暇では外出時の服装に関心がみられ, 40~50代は職場では規範意識を持ち機能的な仕事着を必要としている.<BR>(2) 生活意識について20代は家庭中心の人付き合いや積極的に余暇を過ごすなど個人を尊重している.40~50代は地域社会を背景とした人付き合いをし, 伝統的な社会ルールを受容している.<BR>(3) 服装意識と生活意識の関連性についてそれぞれ因子分析をした結果, 抽出された各因子の関連性を正準相関分析により解析した.職場の服装意識では規範性が低く, スーツ着用や仕事着の必要性に対して否定的な層は, 生活意識では余暇の過ごし方は積極的だが仕事に対しては消極的であった.また職場での服装の規範性が高く, 余暇の服装に興味の少ない層は, 生活意識では個人尊重や人付き合いの因子間に関連がみられ, いずれも消極的であった.さらに冠婚葬祭の服装や家庭での服装の因子は, 生活意識の個人尊重, 慶弔行事への考えの因子間に関連がみられた.
著者
鈴木 良典 小川 貴之 服部 洋美 伊藤 祐子 岩渕 恵美 富田 弘美 中原 亜衣 望月 剛
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.257, 2011

〈緒言〉当院は愛知県尾張北部医療圏に位置する678床の二次救急医療機関病院である。当院は同一市内にあった2病院が平成20年5月統合開院し電子カルテを導入した。現在、1ヶ月に1,700件を超える書類作成依頼のうち約48%は電子カルテにて作成が可能となっているが、それ以外のほとんどが手書きにて作成されている。そのため、医師の書類作成は時間外に及ぶことが多く溜まった書類をまとめて記入するなど、本来の診療業務に負担となっているため、書類に掛かる業務の負担軽減と書類の作成期間を短縮する必要性が高まった。<BR>〈方法〉医師の文書作成の負担軽減策として文書作成管理システムを導入する。<BR>この文書作成管理システムの特徴は以下の通り。<BR>(1)約700種の書式がフォーマット。<BR>(2)属性、病名、入退院日、手術名、術式コード(Kコード)等の連携。<BR>(3)前回の入力内容や電子カルテの記載内容の複写・引用機能。<BR>(4)入力必須項目の記載漏れチェック機能。<BR>(5)期限超過した依頼文書の医師別一覧出力。<BR>上記の特徴を最大限に活用できる運用を作成することで書類作成期間の短縮及び問い合わせ件数の減少に繋げる。<BR>そのため、文書管理係として専属で文書管理を行う事務員を5名配属し平成23年5月9日より文書作成管理システムを本稼動させた。文書管理係は文書作成管理システム出力文書・手書き文書共に入退院日や通院日、病名や術式等の医師以外でも記載可能な部分を下書き入力し、医師は事務の記載部分の確認と空白部分への入力及び完成書類への署名のみとなる。また、システム導入以前に記載のある文書書式のものは過去記載分を事務側にてすべて複写を行い、医師は今回の依頼分に対し加筆・修正を行うだけとなる。<BR>〈結果〉文書作成管理システムの導入により月約1,500件(約89%)の文書が電子化された。全体としての効果については今後アンケートを実施し学会時に発表する。
著者
富田 弘美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 67回大会(2015年)
巻号頁・発行日
pp.50, 2015 (Released:2015-07-15)

目的 高校生が体育時に着用する体操着は長い間改良がみられず、大まかなサイズ展開で好みのディテールやシルエットを選ぶことができない。そこで、袖・上着・パンツ・衿・裾などのディテールやシルエットに特徴をもつ体操着の写真を提示し、各体操着から抱くイメージのアンケート調査を行う。また、その結果を基にして新しいデザインを提案する。 。方法 対象者は東京都、神奈川県の公立、私立の女子高校生各100 名である。調査内容は体操着の写真4種類(A:上着は全開、ボトムがストレート、リブ無し、B:上着は全開、ボトムリブ付、C:上着は全開、ボトムの裾がフレア、リブ無し、D:上着は途中開き、ボトムリブ付き)について、イメージ項目として15項目の形容語対(好き-嫌い、個性的な-平凡な、かっこいい-ダサい、着脱しやすい-着脱しにくいなど)を1~5段階尺度で回答する。さらに、体操着をデザインして実物を製作する。 結果 イメージのプロフィールでは、ボトムの裾がフレアのCは個性的な、ラフな、女性的な、着脱しやすい、スタイリッシュな、かっこいいなどの項目がプラスのイメージをもち、次いで裾がストレートのAがプラスイメージであった。一方、リブ付きのBとDは、嫌い、ダサい、弱そうな、デザインが悪いなどの項目からマイナスイメージをもっていた。因子分析の結果では、4個の因子が累積寄与率66.2%で抽出され、第1因子は「悪い印象」、次いで「良い印象」、「センス」、「好み」と因子名をつけた。新しい体操着としては、「女子力UPジャージ」「学校帰りに着て帰れる体操着」など5つのデザインを提案した。