著者
清水 健吾 上垣 貴嗣 菊池 英明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 94回 (2022/3) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.06, 2022-02-25 (Released:2022-02-25)

雑談対話システムがユーザに「また対話したい」と思わせるための方法として,特定のキャラクタらしさをシステム応答に付与する方法が考えられる.本研究は,強化学習を用いてニューラル対話生成モデルをfine-tuningすることで,特定のキャラクタらしい雑談応答を生成する対話生成モデルを提案する.Fine-tuningの際に,特定のキャラクタらしさを持つ独立した発話データのみを必要とし,対話形式のデータを必要としない点で既存研究と大きく異なる.評価実験では,被験者に提案手法による対話システムとチャットアプリ上で数ターンの対話を行ってもらった.評価実験の結果,提案手法による対話システムが,ユーザに特定のキャラクタらしさの印象を与え,「また対話したい」と思わせる効果を持つことを確認した.
著者
中矢 明歩 岡本 雅史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 94回 (2022/3) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.13, 2022-02-25 (Released:2022-02-25)

本研究では、複数の会話参加者が同時に話す発話の重なり箇所を「発話重複」と定義し、オンライン会話における先行発話への「阻害」に着目して発話重複の機能を解明することを目的とする。また対面会話との違いを考察し、それぞれの発話重複の回避の仕方についても明らかにする。日常的な会話場面の1つである4人組の「飲み会場面」を取り上げ、対面会話2組、オンライン会話2組の映像を観察した。発話重複の回数や生起箇所、言い止めの生起頻度などを定量的に分析し、その後発話重複による先行発話への阻害の有無を、発話内容や発話重複が生起するタイミングに即して定性的に考察した。その結果、オンライン会話は対面会話よりも先行発話への阻害の機能をもちやすく、発話重複の中でも「自己選択競争による同時発話」、「割り込み・意図的介入」、「TRPの誤認」、「ターンを要求しない発話」による重複は阻害のある発話重複になりやすいことが示唆された。