著者
新原 俊樹
出版者
日本体操学会
雑誌
体操研究 (ISSN:18835872)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-9, 2018 (Released:2018-02-06)
参考文献数
45

2015年に大阪府内の中学校で起きた組体操事故を契機に、各地で組体操を規制する動きが広がった。一連の議論や動きの前提となった「組体操が学習指導要領に位置付けられていない」という認識について、組体操の呼称の変遷と学習指導要領の改訂経緯を調査した。 戦前、運動会で披露されるピラミッド等の運動種目は「タンブリング」等と呼称されていたが、「タンブリング」は1980年代までに体操競技の用語に変化し、1990年代以降、この運動種目の呼称として「組体操」が辞書で紹介されるようになった。 組体操の学習指導要領への位置付けについては、学習指導要領が手引書であった年代には「タンブリング」等の語が明記されていた。1958年の改訂時、基本的事項に重点を置いて内容を精選する過程で明示されなくなったが、現行の学習指導要領は「体育的行事」の中で「規律ある集団行動の体得、責任感や連帯感の涵養、体力の向上」に資する活動を求めている。
著者
加藤 享 古川 善夫 村田 芳久
出版者
JAPAN SOCIETY OF GYMNASTICS for All
雑誌
体操研究 (ISSN:18835872)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-37, 2014

24名の大学生(18±0.5歳)を対象に4種類の体ほぐしの運動を実践した。実践後に、それぞれの大学生に気づいたこと、調整したこと、交流したことについてコメントカードに記述することを求めた。「 2人でリズムに乗って 」仲間やリズムに動きを合わせることや体が温まったことについて16名が気づき、仲間や音楽に動きを合わせることについて13名が調整した。また、仲間と動きを合わせることと互いに教え合うことを交流として12名が記述していた。なお、仲間と動きを合わせることは交流や調整と捉えられていた。 「 3~6人の運動」運動の工夫や友達との信頼関係について10名が気づき、運動の工夫と体の姿勢について15名が調整した。コミュニケーションをとることや運動を行う人数が増えると楽しいことについては12名が交流として記述していた。 運動の工夫は気づきや調整と捉えられていた。「あんたがたどこさ」歌いながら運動することの楽しさについて10名の学生が気づいた。ボールや歌に動きを合わせる調整を14名が行った。全員で歌うことや仲間の歌を聴くことを12名が交流と記述していた。歌のリズムに合わせて動くことは気づきや調整と捉えられていた。「 組み体操 」相手の動きが自分に影響することについて5名が気づき、仲間とバランスをとることを4名が調整した。コミュニケーションについて12名が交流として記述していた。